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栄通記

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2012年 05月 16日

1752)「小川豊・個展」 時計台 5月14日(月)~5月19日(土)

  
○ 小川豊・個展   


 会場:時計台ギャラリー 2階C室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年5月14日(月)~5月19日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.14)

 細長い会場の全貌を載せます。


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 次にブロックごとに何枚か載せます。

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 大作のタイトルは「心のひだ」、小品は「ひだ」で、全て同じものと解していいだろう。「心のひだ」の表現だ。

 とにかく小川君は精力的に画作に取り組んでいる。見てもわかるように画題は一貫していて、あまりテーマには悩んでいない。ただ、あまり絵が同じでは面白くもないし、如何に深めていくかが課題なのだろう。そういう中で色がようやく出てきた。そういう自分を楽しんでいるようだ。今の小川君自身の心のありようは、この時期と同じ春気分、良い気分なのだろう。一個一個の作品の完成度は抜きにして、出てくる色気分を大事にして、見る人と一緒に楽しみたいと言いたげだ。

 この楽しい気分のグラデーションは大作に絵画として上手く表現されている。
 濃厚なマチエールさからは異質で、フラットな画面の中に、「ひだ」の重なりが微妙な奥域、立体感を表現している。その大作は昨年の道展で見たのだが、彼の最近の単作としては気に入っている。華やかさがでてきた。

 色が出てきたのは良いことだ。
 それでは、以前はどんな色かというと、暗めのカーキ色が大半だった。絵も、まさしく悩める青年の「心のひだ」で、ひだの増殖は膨らんでいく沈鬱だ。つまり、「心のひだ」の原点はダークな心だった。小川絵画のひだの一片一片、その塊は押さえがたき情念の表出だった。今、絵から心の悩みは消えた。きっと描く行為は吐き出しであって、ある程度吐き出し終えたのだろう。嘔吐の後に、明るい世界が訪れた。それは良いことだ。
 しかし明るい心が、いつも同じひだの塊では明るくない。おそらく、画題の定型を壊す、あるいは離れるのには勇気がいるのだろう。その決断をするほどには、心は明るく軽やかではないのだろう。

 小川君の一層の明るさ軽やかさ華やかさを期待しよう。ドラスチックな変貌の一瞬があるかもしれない。



1752)「小川豊・個展」 時計台 5月14日(月)~5月19日(土)  _f0126829_10152280.jpg     ↑:左側、「ひだ S10ー1」・キャンバス アクリル 油彩 2011年。右側。「ひだ S10-8」・同 2012年。


1752)「小川豊・個展」 時計台 5月14日(月)~5月19日(土)  _f0126829_1019985.jpg
     ↑:「心のひだ」・キャンバス アクリル 油彩 2011年。

by sakaidoori | 2012-05-16 10:34 | 時計台


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