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栄通記

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2012年 05月 15日

1751) 「女が表現する女展」 たぴお 5月14日(月)~5月19日(土)


○ 女が表現する女展       

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年5月14日(月)~5月19日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~17:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~ 

 【参加作家】
 北村穂菜美 工藤エリコ 坪内あい 名畑美由紀 田中季里 糸原ムギ (林教司・賛助出品)  
      
ーーーーーーーーーーーー(5.14)

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 この日はオープン初日、ということでパーティー真っ盛り。僕も若干後れて参加した。ホナミちゃんこと北村保奈美さんの絵と本人を久しぶりに直に見たいと思った。働くことと作画との時間や気分のやりくり、どういうふうに上手くやっているんだろう、そんな話をしたかった。

 全体の雰囲気は少しおとなしかった。数だけでも暴れればと思ったが、その辺は参加作家自身が全体の雰囲気が読めていないのだろう。一杯持ってきて、飾れない分はお持ち帰りすればいい。隙あらば何が何でも大きく見せる、そんなテンションを僕はいつも期待している。


 以下、個人作品を載せていきます。入り口から時計の反対回りに行きます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:工藤エリコ

 切り絵を壁から5㎝ほど離して展示。作品の白黒と、壁に写る白黒が重なって、ウエーブラインがなかなか良い。
 当日、僕は彼女に大いに自分の思うところを語った。
 「工藤さん、顔がなければもっと好きだ。工藤さんの作る『顔』はかわいくまとまって、パターン化しちゃって、ゾクゾクしないのよ。顔の横顔ライン、ヒップライン、太腿ライン、そんな工藤ラインをもっともっと積極的に全面に出して、画面を覆うぐらいにしたらいいのに。だって、絵はもっともっとはしゃぎたい、はみ出したいと言っているのに、生みの親がこの辺でまとめようかなって言っている。工藤さん、もっともっと心を開きたいと思わんのですか?もう技術はあるのだから、その技術の突き進むままにやらしたらいいのに、壁一杯に工藤切りくずを這い廻したら!天井に、ダクトにからませようよ!」
 彼女が何と返事をしたか、全て忘れた。自分の言ったことを記録に残しておこう。




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     ↑:田中季里


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 田中季里、北海道教育大学美術過程で版画を学び今春修了。現在は院1年生。

 作品は在学中のデッサンだ。
 最近の彼女は実に宜しい。何が良いかというと、自分を大きく見せようとすることだ。技術や表現力、そういうものは続ければ必ず身に付くと思っている。自分にとって必要だが足りないもの、欠けたもの、そういう部分をどう見つめ関わるかという自覚の問題の方が大切だ。彼女は表現したい世界を既に持っている。もちろん霧夢中なのだが、出てくる世界、そのまとめ方はしっかりしている。
 そのまとめすぎを補うかのようにして、今展では沢山持ってきた。実に良いことだ。

 ところで、横になった裸婦デッサンだ。
 この作品は授業の一環であって、他人に見せることを前提にしての作画ではない。なのに、顔の部分はあえて詳しく描き込んではいない。格好良く処理している。
 絵としては面白い。が、研鑽の場としては実に宜しくない。なぜなら、描き込んでないからだ。光を表現したいのならば、余白処理ではなく、黒による光表現にならなければ初期研鑽の意味がない。実は、この辺が田中季里の特徴だ。上手くまとめるのだ。顔の描き込み技術の未熟さからか、描かない美しさを選んだのだろう。自分を知ったセンスの良さだ。

 今はたぴおが研鑽の場だ。そこは学校ではない。高次のセンスを学ぶ場だ。やり過ぎで学ぶ場である。
 大いに田中季里に期待しよう。



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          ↑:賛助出品・林教司、「私に向かう波」。



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     ↑:北村穂菜美


 「夢気分、色気分のホナミちゃん」、こと北村穂菜美。
 なぜだか黒に拘っているみたいだ。何で?哀しくてもブルーの横顔ではなく、七色の涙の顔を描く人だと思っている。
 残念ながら色も夢も100%開花ではではないが、久しぶりに見れたことで満足しよう。



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     ↑:坪内あい、「私のナカ」。

 ちょっとシュールで不気味な感じ。焦点を定めないで、どこを切り取っても均一で、そフラットな感覚が不気味さを殺してもいる。「私の体の中、不気味でありたい、綺麗でありたい、どっちかな?私の心の中もどっちかな?」



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          ↑:糸原ムギ、「モナ・リザ」。

 「違和感の人・糸原ムギ」のやっぱり不思議なモナリザだ。さきほどの坪内あいは構成としてのシュールさだったが、こちらは絵そのものにシュールが漂っている。白が糸原ムギを特徴づけている、白が不可思議さを醸し出している。


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     ↑:名畑美由紀


 名畑美由紀には「とんでもビックリ」という引き出しがあり、「とんでもズッコケ」とい引き出しがあり、今回は「とんでもフツウ」という引き出しだった。それも彼女らしい。

by sakaidoori | 2012-05-15 22:02 | たぴお


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