1742)「高橋芳子・個展」 茶廊法邑 5月5日（土）～5月13日（日）

○　高橋芳子・個展　　

　　　　　　　　
　・会場：茶廊法邑
　　　　　　東区本町１条１丁目８－２７
　　　　 　電話（０１１）７８５－３６０７

　期間：2012年5月5日（土）～5月13日（日）
　休み：火曜日（定休日）
　時間：１０：００～１８：００
　　　　　（最終日は、～１７：００まで）

ーーーーーーーーーーーーーーーー（5.9）







　　　　　　　　　　↑：「青の思考」・Ｆ１００号。


　　　　　↑：「うちごもるもの」・Ｆ１３０号。


　　　　　↑：左側、「秘匿」・Ｆ１００号。右側、「蓮の夢」・Ｆ５０号。


　　　　　　　　　　↑：「残像」・Ｆ１００号。


　　　　　↑：「悠」・Ｆ１３０号。


　高橋芳子さんの画題は、上の写真を見てもわかるように決まっています。あどけなさが漂う少女や、若くて綺麗な女性です。和服を着た姿は肌を露出させることはありません。セクシャルさには無縁な世界に女がたたずんでいます。しかも、几帳面で乱れることはありません。静かでキチッとした美しい世界です。

　描かれた世界は見たとおりの端正な美しさです。では、その美人画には何が胎んでいるか？エロスや理想美は最終目的ではないでしょう。画題に拘れば女性心理といえなくもありません。むしろ、絵画自体を「美しい女」と見立てて、絵画の不思議＝女の不可思議に迫りたいと思っています。
　その雰囲気は確かにあるのです。絵画の向こう側を見つめたい、それを少しでもあぶり出したい。ですが、キャンバス全体を覆う几帳面さが、見えない世界に通じる道の邪魔をしている。あまりに画題に引っ張られてしまって、色と色の隙間の妙味に五感が反応しない。もったいない、もったいない、実にもったいない。

　画質感を変えたり、筆さばきを変えたりと、いろいろと技法上の試みをしている。「青の世界」という表現も、作家にとっては探検かもしれない。肌も出し始めてはいる。「悶え」とおぼしき画題にもチャレンジしている。
　見果てぬ夢の実現のために、試みねばならぬ事は沢山あるのでしょう。しかし、どれもが意味を求めた努力のようです。無意味な空間、あるいは高橋芳子絵画とは異質な要素の浸食、そういうのがあった方が、得意の端正さとも呼応するように思えるのだが・・・。










　　　　　↑：「隠れる」・Ｆ５０号　パステル。

　他とは質感が違う。パステル画だったんだ。



　　　　　↑：左側、「朝の光」・Ｆ５０号。右側、「如月」・Ｓ１００号。