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栄通記

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2012年 05月 10日

1741)「BOX ART 6 」 たぴお 5月7日(月)~5月12日(土)

   
○ BOX ART 6       

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年5月7日(月)~5月12日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~17:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~ 

 【参加作家】
 糸原ムギ 田中季里 能登健一 林教司 藤川弘毅 宮森くみ  
      
ーーーーーーーーーーーー(5.9)

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 持ち寄りグループ展ということで、全体のワイルド感には欠けるが、一つ一つの作品はキュッと引き締まって個を感じる。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:藤川弘毅


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 写真家・藤川弘毅から写真が消えた。廃品を利用した立体造形作家になった。
 廃品は写真の額縁として使われていた。確かにその始まりから、写真を生かすというよりも、廃品の額縁への応用を楽しんでいた。そして額縁という特定の役割を廃品は越えていった。いや、藤川氏自身の意欲・意識が高まったのだろう。作品を通して、「藤川弘毅」はいつも「たぴお」にいるんだ、という存在証明に転化した。作家の誕生だ。
 氏の作品の特徴は「存在感」にある。それは廃品という殻を持つ以上、宿命のようなものかもしれない。今展ではしなやかさや感情線も出てきた。さらに、針金の束や残骸は「過剰」という方向をも伺わせる。
 ただ、現時点では立体作品に留まっている。確かにインスタレーション的な場との繋がりや関係性の雰囲気はある。が、単体一個で完結させる作家スタイルに留まっている。ギャラリーたぴおという空間全体との語らいを見たいものだ。
 いやいや、そんなに焦って藤川弘毅を見る必要はないだろう。ここまで来るのにも時間を必要としたのだから。作品は大きくなりたいとつぶやいているのだ。じき見れるだろう。



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          ↑:田中季里


 浮遊感がテーマだ。「ボックス」なのに軽やかさや空間を見つめる感覚が新鮮だ。若い女性特有の「かわいさぶりっこ」からは遠い。浮遊感といっても安定している。不安感をそそる所在なさとは無縁だ。「ぶりっこ」とは違った若さ・・・、青、この作家にとっての春と宙(そら)なのだろう。
 真ん中の箱を描いた絵画、絵で「箱」のありようを表現している。何があるんだろうと覗きたくなるような、そして華が咲きそうな青い箱空間だ。


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     ↑:糸原ムギ、「J.C 『ミシンと女』より 『WORD・・・』」。


 糸原ムギ、どこか場違いな違和感を表現する人だ。作品の持っている本質的なキツサが違和感の原因だ。スローカーブ感覚で展示空間を楽しむのだが、ボールはいつもキャッチャーには届かない、消えてなくなっている。探せば変な処でボールは揺れている。


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 今展のミシンのありよう、ズバリ、という作品だ。
 ミシンが凶器になった。まるで「ミシンが女をダメにした」と言わんばかりだ。それはミシンへの怨念でもあろう。つまり、性としての女ではなく、社会的ありようとしての女の表現だ。ミシンに託して、社会や男へ叛旗をひるがえすのか。「違和感の人・糸原ムギ」が、「闘う女・糸原ムギ」を垣間見せている。



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     ↑:能登健一


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 何なんだろう、この優しさは。もうこれはヤク(薬)だ。「やさしさ教」というヤクだ。
 能登健一、その爪のアカを煎じて飲めば、傲慢栄通も少しは変わるかもしれない。あー、「やさしさ教」。



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     ↑:宮森くみ


 ポッキーには夢があったのか。
 僕らの時代はグリコだった、マーブルチョコレートだった。中に入ったオマケに夢があった。宮森くみはお菓子は放り投げて、空箱に夢を見るのだろう。ポッキーを食べながら。


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          ↑:林教司


 写真を拡大して楽しんで下さい。重厚に行儀良く収まっています。




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     ↑:竹田博



 誰かさんの仮の姿みたいだ。竹田版、泣き笑い狂言師だ。

by sakaidoori | 2012-05-10 10:30 | たぴお


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