栄通記

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2012年 05月 09日

1738)④「阿部典英の全て ~工作少年、イメージの深海を行く~」 近美 4月7日(土)~5月6日(日)

    
○ 阿部典英の全て 

         工作少年、イメージの深海を行く
   

    
 会場:北海道立近代美術館
      中央区北1条西17丁目   
     電話(011)644-6882

 会期:2012年4月7日(土)~5月6日(日)
 時間:9:30~17:00
     (入館は16:30まで。)
 休み:平日の月曜日(定休日)、5月1日
 料金:一般 1000円 高大生 600円 小中生 300円 

 主催:当館 北海道新聞社 

 ※ イベント多数 

ーーーーーーーーーーー(5.4)

 1731)①、1732)②、1738)④の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 初めにエントランスホールの作品を見て下さい。この場所では最後の作品紹介です。


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 「どうだ!」と言わんばかりの「アベ五郎」だ。
 「これは何だ!」と問われれば、「これはこれだ!!でくのぼうミノムシだ!モグラだ!百叩きだ!」と応えればいい。無意味なのだ。芸術は無意味なのだ。意味を越えた、はるか彼方をめざすモグラなのだ。「これは何だ?つまらん」とあざ笑う諸君らを、笑い転がって楽しむ阿部典英がいるのだ。


 さー、第4室に行こう。

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 皆さ~ん、聞こえますか~?可愛くピチピチぱちぱち言っていますヨ~。
 春です。愛のさえずりです。あべ君とテン子ちゃんの戯れです。

 冒頭に紹介した変な生き物がモグラとするならば、こちらはミジンコだ。どれが男でどれが女かだって?そんな野暮なことをいっても仕方がない。でも、言えることは丸い穴は口であり、女の証だ。変幻自在の大穴口乃若彦と若姫だ。 
 阿部典英という作家はいつも恋をしている。我々も負けずに恋をしよう。


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 この屹立する柱は男根だ、でくの坊だ。そして、だんだんと宗教的儀式の場へと典英の美学は昇華されていく。男性的儀式から女性的儀式に変貌する。(次の部屋でその姿を見ることになる。)
 氏は素材剥き出しの表現を避ける。そういうことは砂沢ビッキや、木の精霊に拘る他の作家達にまかせればいい。それに、素材の荒々しさは氏の美学には向かないのだ。なぜなら、ダンスのお相手の女性が常に作品の裏側にいるからだ。手を握るのにトゲがあっては困るではないか。男根を意図するが剥き出しは野暮だ、高笑いで誤魔化そう。照れ屋なのかもしれない。
 死の影が離れなかった時期なのだろう。歳をとったのだ。しかし、小さく籠もらないのが典英らしくて素晴らしい。堕ちる地獄よりも、昇る天国を見ている。


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 ⑤に続く

by sakaidoori | 2012-05-09 06:23 | ☆札幌・近代美術館


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