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栄通記

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2012年 05月 04日

1730)「高橋彩美・写真展 『ゆめのわ』」 資料館 5月2日(水)~5月6日(日)

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○ 高橋彩美・写真展 

     「ゆめのわ
        


 会場:札幌市資料館2階3室
      中央区大通西13丁目 
       (旧札幌控訴院。
       大通公園の西の果て)
      電話(011)251-0731

 会期:2012年5月2日(水)~5月6日(日) 
 休み:
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(5.3)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)



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          高梁 彩美 (たかはし あやみ)

              1990年 札幌市生まれ
              2011年 札幌ビジュアルアーツ専門学校卒業 
                       (会場プロフィールより)

 ざっと会場を見渡しただけでも、若い女性による子供のスナップ展だとわかる。普通に子供達が好きで、色が好きで、ちょっと言葉を添えて、「写真個展、しちゃいました」という雰囲気だ。写真技術を誇示するでもなく、しんみり心象世界を訴えるでもなく、極端な接写やアングルもなく、「面白い雰囲気、貰っちゃいました、撮っちゃいました、ペタペタ貼っちゃいました」そのものだ。
 それに、写真展としてはダブった作品も多い。ピンボケではないのだが、焦点バッチリからは微妙に遠い。「これだ」という絶品の一枚はあるのか?

 そうなのだ、それらが欠点ならば簡単なのだ。そう言えないところに今展の悩ましさがある。高橋彩美の写真生理に感心してしまった。

 
 本人は何も考えてないという。きっとそうだろう。
 だが、高橋彩美の目はキツイ。「瞬間」にたいして鋭敏だ。構図だ、ピントだ、シャッタースピードだ、そんなことにはお構いなく、感じるところを迷わずバチッだ。続けてバチッ。潔い判断力だ。連続によって被写体の微妙な心理、空気、存在をえぐる。被写体と言ったが、おそらくそれらは撮影者の影なのだろう。だから、良い写真など眼中にない。自分自身を覗き見しているのだから。おそらく、自我が目覚めた少女が、自分自身や廻りを時には突き放し、時には途方にくれて撮っている。
 今回は「0才から10才までの子供」がテーマだ。確かにあどけなさオンリーの作品もある。一方で、覗かれる子供、不安、喜び、一人でいる事の意味を思う作品も多い。「子供のままでいたい、大人に成りたい成りたく」と。その子供らを、強いボケや、怪しげな黒や、ウソっぽい白と入り混じって、高橋彩美の夢は拡がっていく。確かに「夢」だ。子供の頃の夢、かなわなかった夢、今子供に託す夢・・・。異性に目覚める前、遊びながらも他人に自分をさらす子供ら。思春期直前の「写真という夢の世界」だ。


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 右側の作品の青と白が記憶に残る。普通の楽しい動物園、お天気も最高、でも寒々している。


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 何とも言えない覗き見アングルだ。


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 恥ずかしいのですが、今展での一番のお気に入り。思春期なんですよ。
 いつの間にか大人になるモデル嬢、いつの間にか大人になった高橋彩美。


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 間違いなく佳作。笑顔と冷ややかさ、そして時間差の妙味が詰まっている。通好みだろう。



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 会場中央を赤で染めたかったのだろう。でも子供は天真爛漫というわけではない。
 2枚も必要ないかもしれない。自選個展だから、こういう主張も生きるのだろう。要するに高橋彩美は強情なのだ。



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 なぜ子供はこういう顔をしたがるのだろう。変身願望?


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 被写体との関わりで感想を書いた。しかし、本展の魅力は写真そのものにあると思う。色を伴いながらも「黒」や「白」の強調、明るさと暗さの対比、ボケてるようでボケてはいない距離感などなど。ただ、それらが魅力あるものとして表現されるには、「良き被写体」との出会いがなければならないだろう。そして今の高橋彩美の情動は「子供」に向いている。
 子供作品を見つつ、子供を無視して写真を楽しみ、ブログを書くのに子供を楽しんだ次第です。



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by sakaidoori | 2012-05-04 15:42 | 資料館


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