2012年 05月 03日
○ 松本ナオヤ・個展 IMAGE INVADER 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ) 中央区南9西3-1-1 マジソンハイツ1F (地下鉄中島公園駅下車。 北東に徒歩2分。北東角地。) 電話(011)299ー6380 会期:2012年4月17日(火)~4月30日(月) 休み:会期中無休 時間:10:30~22:00 (日曜日は、10:30~20:00) 電話:(011)299-6380 ーーーーーーーーーーーーーーー(4.30) (以下、敬称は省略させて頂きます。) 道都大学中嶋ゼミでシルクスクリーンを学んだ20代の青年。 画題の根っこにあるのは「人間」だ。「人間」のある種のポーズを、別のポーズに置き換えたり、ある組み合わせで人型にしたりと遊んでいる。卒業後は、そのパターンも拡がり、構成構図も画面一杯に膨らんでいる。何より好ましいのは、作品が「強く」なったことだ。青年らしいエネルギーが充満している。それは学生時代にはあまり見られなかったことでもある。かつては、どこかお洒落に品よくまとめるという姿勢だった。それが今は強い。 今展は、画題とか、色々な意味でゴチャゴチャと言っていいだろう。確かにまとまりはないのだが、「オレのニンゲンを見せたい」というのはよく分かるので、違和感はない。むしろ、ストレートな分だけ好ましい。敢えて言うなら、「オマエはいったい、ニンゲンの何を見せたいのか?」だろう。だが、それは不満と言うよりこれからの期待だ。第一、この若さで明快に具体的に詳細に「ニンゲン表現」を求めるわけにはいかない。歳をとったところで「人間表現」など、言うは易く行うは難しだ。 「松本・人間」には真正面の顔はない。何かで覆われたり後ろ向きであったりする。組み合わせ人型などは、「遊び」には違いはないが、人間直視を避けている感もする。だが、「後ろ向き」も、「直視逃避」も、人間に何を見ているかとか、自分自身の立つ位置・自意識の反映であって、作品の優劣・良し悪しには関係ないだろう。そういう姿勢が見る者の心を揺さぶれれば良いのだ。今は、そのエネルギーの強さが何より好ましい。 DMに使われた作品。 そのDMを見て、全館写真合成のベタベタ作品を少なからず期待していた。「作り物の美学」、それは遊びでもある。そして、作り物に包まれたロマンや哀しさを夢見てしまった。 ↑:右側、「Myth」。(神話。) 左側は、タコ坊主が海から出てきた感じだ。右側は王様が玉座に、これまた丸顔タコ坊主で威張って座っている。威張ってはいるが微笑ましい。何より作品が大きく見える ○や△などの幾何学模様を駆使しての画面構成だ。抽象模様の完全無欠さを好んでいるのだろう。 左右の作品は油彩だ。油彩の重ね塗りという粘着性や、その発散力の強さが画家の体質に会っているのだろう。 それにしても強い目だ。画家自身の気迫の表明か? ほんの少しばかり古い作品。入り口あたりにこそっと飾られている。あたりの暗さで、作品が影のよう。センチメンタルな作品だ。愛すべき作品だ。
by sakaidoori
| 2012-05-03 08:58
| (カフェ)ト・オン
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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