2012年 04月 27日
![]() 北海道抽象派作家協会展 会場:札幌市民ギャラリー 中央区南2東6(北西角地) 電話(011)271-5471 会期:2012年4月10日(火)~4月15日(日) 時間:10:30~18:00 (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。) 【出品作家】 同人:今庄義男(岩見沢) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、 一般:笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 田村純也(苫小牧) 能登智子(札幌) 宮部美紀(石狩) 吉田英子(札幌)・・・以上、6名。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.12) 1700番①、1709番②、1713番③に続く。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) ○ 林教司の場合 ![]() ![]() 上掲の作品、一目見るなり「合掌」と判断したくなる。 ![]() ![]() だから、この作品は大勢による「合掌」だ。「南無阿弥陀仏」、「南無妙法蓮華経」の声だ。 何のための祈り?それはひとまず置こう。 一心不乱のドローイングで情熱的だ。だが、エネルギーは外に発散していない。非常に内向きだ。そのために、収縮してまとまりよく見える。攻撃的刃をふところにしまおうとしているみたい。それは画家のライフワークである「挽歌」ではあるが、微妙な変化を思う。 ○ 田村純也の場合 ![]() ![]() 石の組作品だ。この重量は凄い。作品だから重さをいとわないのだが、やはりこれだけの重量で表現者魂を見せることに敬意を表したい。 作品の実重量は重いのだが、軽く見える。自由に石を操っているからだろう。それ以上に、まとまりの良さが、石の重みのオーラを削いでいる感じもする。 赤くて真四角の領域にまとめられた磁場、それが「聖域」という言葉を膨らましているのかというと、そうは見えない。むしろ、作家はまだその内実を見定めがたくて、思い悩んでいる感じだ。その悩みが「まとまりの良さ」という形に集約されてしまった。「形だけでもすっきりさせよう」という意志だ。 きっとこの形は、別の場所でリハーサルされたものだろう。その形を移植したのだろう。重いのだから、入念な準備なのは当然なことだ。だが、「市民ギャラリー」という磁場をあまり考慮していないようにみえる。その意味ではインスタレーションというよりも立体作品と言いたい。 思うに、屋外の広場でもっともっと自由に遊び感覚も交えながら組み立てれば面白いと思う。あまり完成形を意識せずに、場と石との関わりで組み立てていく。通行人だって作品の一部だ。重たくて物理的に不可能だろうか? ○ 宮部美紀の場合 ![]() ![]() どこか「鳥獣戯画」を連想してしまった。一枚の絵の中に「カエル」とか「わんぱく小僧」とかが、重なり合って遊んでいるみたい。 ざっくばらんな筆さばきや図柄は、他の作家達とはムードが違っている感じだ。その違いがプラスにみえるのならば問題はないのだが、ちょっとひ弱にも感じた。10枚ぐらいの連作で、全てで「流れる」を構成すれば、「宮部流鳥獣戯画」が誕生するかもしれない。 ○ 能登智子の場合 ![]() 画題・色合い・雰囲気とも、いつもの能登ワールドだ。だが、変化はある。鋭さが和らいで、華やかさを増した感じだ。特に右側の絵に感じる。花瓶に生けられた花束、その花を包むようにして背景がモクモクと和している。それが「響」なのだろう。 彼女の絵を見ていると、自分の型にこだわりすぎではと思っている。渋い色合いによるシャープな勢い、それが信条だと思う。その空気感なり存在感に「型」という魔物を感じる。今回の「響」のふっくら感、より自由を求めている感じだが、自身の中の「鋭さ」との問答に負けている感じだ。ここらで一つ廻り道をして、「響」という花園で遊んでみてはどうだろう。遊ぶなら羽根を外した大胆さが良い。 ○ 鈴木薫の場合 ![]() ↑:(同じく左側の作品)「作品 7」・182×184㎝。 (写真撮影に失敗しました。すいませんでした。)
by sakaidoori
| 2012-04-27 15:41
| 市民ギャラリー
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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