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栄通記

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2012年 04月 21日

1713)③「北海道抽象派作家協会展 ’12 第39回」 市民ギャラリー 終了・4月10日(火)~4月15日(日)

      
1713)③「北海道抽象派作家協会展 ’12 第39回」 市民ギャラリー 終了・4月10日(火)~4月15日(日) _f0142432_1926797.jpg○ ’12 第39回

    北海道抽象派作家協会展



 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2012年4月10日(火)~4月15日(日)
 時間:10:30~18:00
      (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。)

 【出品作家】
 同人:今庄義男(岩見沢) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、86名。

 一般:笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 田村純也(苫小牧) 能登智子(札幌) 宮部美紀(石狩) 吉田英子(札幌)・・・以上、6名。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.12)

 1700番①、1709番②に続く。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


○ 鈴木悠高の場合


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     ↑:「(無題)」・F60×8枚。


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 昨年は休会の鈴木悠高だ、満を持しての出品だ。

 一目見るなり驚いてしまった。全ての作品がくすんでいる。鈴木ワールドの基本は、激しさを内に秘めながらも、明るさ美しさ輝きが信条だと思っている。なのに、まったく基本から外れている。苦悩とまでは言わないが、今までの自分が厭になった、そういう心理の表れのような作品群だ。

 昨年、東京で個展をされた。今展の作品群はその作品だ。しかも、これらの作品は一昨年の個展時の作品に加筆したという。東京デビューの為の加筆なのだ。だから、手抜きとか、やる気喪失での「くすみ」ではない。沢山考えて、溢れる自信の結果として「くすみ」なのだ。

 今展の作品が「悪い」とは思わない。むしろ、不可思議さが漂っていて、可能性を秘めている。だが、この方向で今後進むとは思えない。試行錯誤の一里塚だと思っている。自身の感性や発表の流れから逸脱していると思っている。優しく綺麗な世界の好きな人間が、自信にあふれて「汚す」とは、自己を失っているとしか思えないからだ。ポロック風の激しい気性が、ロスコー風の迷宮になってしまったのだろう。
 だが、こういう「くすんだ」作品が出てきたことも事実だ。それは否定されるべきものでもないだろう。見る僕にはわからないが、「くすみ・汚れ」が鈴木絵画に何をもたらすのか?作家自身が気付く他はないのだろう。

 今後、どういう方向に氏が進むかはわからない。が、こういう作品が何故出てきたかは言い得る。作品に「精神性の無さ」だと思っている。今の時代に、若い画家に精神性があるとは思えない。無いのは当然なのだ。が、絵画を突き詰めていけば、「絵画とは?」に行き当たる。そこで「画品」や「画趣」の追究と応えられれば幸いなのだ。だが、「現代美術」には「画品」は万能薬ではない。如何に進むか?画家とはシンドイものだ。


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by sakaidoori | 2012-04-21 23:17 | 市民ギャラリー


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