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栄通記

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2012年 04月 18日

1710) 「佐野妙子 紅露はるか・2人展 vol.7」 4プラ 4月14日(土)~4月22日(日)

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○ 佐野妙子 紅露はるか・2人展
            vol.7


 会場:4丁目プラザ 7階4プラホール
     中央区南1条西4丁目
     電話(011)261-0221

 期間:2012年4月14日(土)~4月22日(日)
 時間:10:00~20:30
     (最終日は~19:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.17)

 北海道教育大OGの2人展。油彩と日本画。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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 佐野妙子の変わりようには困ってしまった。何が変わったかというと、静かになって、沈鬱になって、暗くなったことだ。
 紅露はるかは、キツサやメルヘン調を落とし、あれこれと工夫して静かに作品の中に没頭している。結婚されたということで、ハネムーン気分の作品もあり、微笑ましい。



○ 佐野妙子の場合


 今展の佐野妙子の暗さ、静かさ、しんみりさは何なんだろう?それに、可愛い女の子などのいなくなった。

 それでは、今展の代表大作です。


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     ↑:「空中スイミング」。


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 絵が暗くなったと言っても、悪くなったのでは。いえ、一点一点はしんみりしていて、今までにない情感が出ていて、とても素敵だ。上の大作も気に入っている。
 佐野妙子の作品は基本的には願望画だと思っている。それも女の子の。ロマンチックで夢見る世界だ。それを油彩画らしく色爛漫に、しかも厚塗りでストレートに表現する。大きく少女を描き込む。少女は余計だと思っていた。充分に絵が少女の気分を表現しているから。
 今回、やっと少女が消えた。消えると同時に、少女気分から妙歴の女性気分だ。箱入り娘を卒業したのだろう。
 大作から少女の消えたのは良いのだが、会場全体から消えたのは実に寂しい。しかも、小品の場合は、可愛さなんかに無頓着な姿勢が良かった。自由だった。今回は、その自由さが影を薄めた。

 少女と華やかさと自由が薄れ、しんみりした世界を登場させた。絵が大人になったのだろう。それは良いことなのだが、大人になってこちらは大いに戸惑っている。


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     ↑:左から、「雪の音 (+3℃)」、「雪の音 (-5℃)」。

 今展の象徴的な対作品。「-5℃」という言葉が耳に残る。「マイナス ゴド」、たいして寒い温度ではないのだが、寒々した数字の響きだ。


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          ↑:「見上げれば」

 見上げれば・・・星が見えればいいのだが、どうなんだろう。



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          ↑:「始まりの朝」。



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 今展の佐野妙子は、何をやっても寂しく見える。しかし、作品は良い。絵とは不思議なものだ。



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     ↑:「melty step」。

 華やいでいる。確かに華やいでいる。透明な空気感と淡い七色、華やいでいる。会場入り口でお客さんを迎える絵だ。ふさわしい絵だ。
 退場する時に、もう一度見てしまう。どうしても、初めの明るい気持ちだけにはなれない。黒い鳥の直線スタイル、楽しくもあり冷たくもある。


○ 紅露はるかの場合


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          ↑:「碧の中の明」。

 空に浮かぶ白い模様は、肉筆そのものではありません。支持体(布)に染められている花柄模様を利用したもの。見事な効果です。


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     ↑:「青い水」。


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     ↑:「north field」。


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          ↑:「あの灯を目指して」。


 たんたんとした青、静かで安定した世界だ。構図にしろ色にしろ、小さくコンパクトにまとめている。なのに僕には威風堂々とみえる。威張ることもなく、極端なことも止め、どうしたら魅入る絵画ができるか、迷うことなく見定めてチャレンジしているみ。画題にほの見えるメルヘン調とは関係なく、詩が生まれそう。
 地味な世界である。絵を描くと言うことは地味な作業なのだろう。地味さが板に付いたような作風だ。もともと頑固な画家だと思っていたが、今回はその一徹さも正直に流れて華を添えている。



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     ↑:「明るい部屋」。


 

by sakaidoori | 2012-04-18 23:28 | 4プラ・華アグラ


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