2012年 04月 10日
○ 田中由美子・個展 GIFT FROM THE SEA 会場:アルテピアッツァ美唄 A室B室 美唄市落合町栄町 (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、 直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。 どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。) 電話(0126)63-3137 会期:2011年10月13日(水)~10月27日(水) 休み:火曜日 時間:9:00~17:00 (初日は、11:00~。最終日は、~15:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.27) 半年前の展覧会です。秋深し、紅葉は真っ盛り、景色を楽しみがてら、久しぶりに美唄に行った。某ギャラリーの某オーナーが「良い展覧会だった」、その言葉にも触発された。 良い展覧会かどうかは分からない。「不思議な展覧会」、あるいは「小学校跡地に合いそうな、逆に限りなくミスマッチのような、静かな心のざわつきを覚えた個展だった。 あれから刻もかなり過ぎた。細かい印象は忘れた。だが、どうしても心に引っかかるので記録しておきます。 会場は二部屋、まずは第一室の様子です。ほぼグルリ載せるので、様子は分かるでしょう。 空気感の後は個別作品です。 (←:ゴワゴワした作品の部分図。) 明るく心地良い空気感、そんあ気分で中にはいると、よくは分からないが異質なような同質なような品々が置かれている。バックボーンの定まった置き方だが、作品の一つ一つはとりたてて精巧というものではない。どこか間が抜けたような、それでいて几帳面にたたずんでいる。 気分は判断の停止状態。「まっ、いいか。次の部屋に行こう。 先ほどと同じような構成だ。だが、白と黒、そして二列の直並びということで、どこかキツイ。『侃の黒い変体だ。黒光りしている。大きいな。なんだか一際目立つオチンチンだ』冗談気分など全然起こらないのだが、どこか全体がユーモラスだ。生真面目さと可笑しさ、几帳面さと幼稚さ、懐古的なのだが過去ばかりには向けない緊張感、『何だかアンビバレンスだな』 『奥にある白い服、何だか変だぞ』 『うっ、まるで死人ではないか、ミイラではないか、死体に着せる服ではないか。この貝殻の形、乳房ではないか、乳首ではないか、するとこの白装束は女か、まさか作家本人なのか・・・』 この白装束で作家の意図が分かったとは言わない。が、葬送の場と捉えても構わないだろう。それにしても、あたりの空気は淀むことなく透き通っている。明るく送ろうというのか。寒々しさと明るさ、「田中由美子」という作家は、相反するものを同時に楽しむタイプなのか?少なくとも喜怒哀楽を激しく攻めないのだろう。だが、この白装束は激しい。憂いや哀しみ、それらを貝殻たちが包んでいるのかもしれない。タイトルは「海からの贈りもの」とある。海は死人の行くところ、死人は貝になって戻ってくる。残された者には贈りものか・あるいは象徴として「死の往き来」をしているのだろうか? 振り向いた反対側にも、もう一人の「田中由美子」が立っている。
by sakaidoori
| 2012-04-10 01:07
| [美唄]
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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