栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2012年 04月 06日

1690)「第26回 北海道墨人展」 市民ギャラリー 4月4日(水)~4月8日(日)

 

f0142432_1147386.jpg○ 第26回 北海道墨人展    


 会場:札幌市民ギャラリー 1階第2室 
      中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2012年4月4日(水)~4月8日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
      (初日は13:00~、最終日は、~17:00まで)

 ※会場公開研究会 ⇒ 8日(土) 14:00~

 【参加書家】
 荒野洋子(倶知安) 佐藤志珠(遠軽) 伊藤迪子(余市) 渋谷北象(旭川) 太田俊勝(札幌) 照井心磊(旭川) 太田秋源(旭川) 樋口雅山房(札幌) 木村重夫(小樽) 吉田敏子(札幌) ・・・以上、10名。   
 特別出品: 中森博文(相模原)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4.5)

f0126829_1225377.jpg



 会場は、今までの2階の部屋から1階へ。その変化はたいした意味はないが、今までは部屋を二つに区切っていたが、今回は開けっぴろげでオープンだ。その関係で見晴らしが良くて見やすい、気分が良い。それは広さばかりではないかもしれない。参加書家が減り、一点一点の作品が目に近くなったからかもしれない。

 入り口から時計回りに書いていきたいと思います。


f0126829_1572780.jpg
   


f0126829_1581984.jpg



f0126829_15114489.jpg
     ↑:太田秋源(旭川)。左側、「因」・144×180㎝。右側、「不動」・158×88㎝。


 「因」、若々しく堂々としている。筆の幅生かした太さ、癖を排した大きな感覚だ。



f0126829_15192943.jpg
          ↑:伊藤迪子、「「廻」。

 
 綺麗にこまわりしている感じ。「しんにゅう」を字に相応して廻らせているが、少し小さくて窮屈な感じ。品の良さを保ちながら、もう少し大きな気分があればと思った。


f0126829_1525961.jpg
     ↑:照井心磊(旭川)。左から、「地」・142×180㎝。「然」・142×180㎝。「契」・123×180㎝。 


 昨年の大震災を思っての字なのでしょう。
 内側からの力を大仰に発散することなく、グッと溜め込んで、コンパクトで張りのある造形に努めている感じです。


f0126829_1535887.jpg
     ↑:渋谷北象(旭川)。左から、「帰」・180×142㎝。「一事 1・2」・88×158㎝ 78×145㎝。


 全ての字が、右肩が円くて攻めている感じ。
 「一事」の組作品は面白い。回転ネジ式「一事」と、平面での膨らみを強調した「一事」。共に鳥の立ち姿などが連想される。


f0126829_15432051.jpg
     ↑:吉田敏子。左から、「縁(えにし) 3」・140×90㎝。「鞠 5」・121×142㎝。「縁 2」・60×48㎝。「樹」・45×51㎝。

 今までの書家とは異なったスタイルだ。というか、この書家にとっても、こういう形での墨人展発表は珍しいのではないか。
 この会は基本的には大きな一文字書を表現領域としている。大筆による大紙が装置だ。体全体の動き、腕の大きな走り、能に通じる美的な足運び、書き手の関節と骨がしっかりしていて、それが書の骨格を支える。そこに意力胆力という目に見えない味の素が、目に見える潤いを添える。
 そういう基本姿勢を一端棚に上げて、腕そのももの自由な運びを尊重した振る舞いだ。それは個展向きの姿勢ともいえる。自分の好きな書風を確かめている感じだ。
 「紙から浮かびあがる、しなやかでチョット頑丈な美しさ」ある時、彼女にそういう書を見たことがある。それがこの書家の本質かどうかはわからない。もっとご自分のセールスポイントを自覚されて、嫌味と思うほどそれに邁進したらと思う。それは書の求める品とは少し違うかもしれない。が、そういうはみ出し体験も楽しいと思うのだが。



f0126829_1652589.jpg
     ↑:太田俊勝、「一○」・140×360㎝。


 今展一の力作、大作だ。シンプルな字だがゴワゴワザクザクしている。禅問答のような字だが、へなへな禅師ではない。
 個人的には「一」の字がもっと長ければと思った。「一」のシンプルな強さと余韻を、もっと味わいたかった。
 おそらく、次の難しき「○」への心の動きが速すぎたのでは。それぐらい気分は「○」にあるのだろう。



f0126829_161212100.jpg
     ↑:樋口雅山房。左から、「竹」・100×100㎝。「「乱」・140×180㎝。
            「花」・47×90㎝。「竹 3」・47×90㎝。「月」・37×57㎝。「竹 2」・33×70㎝。


 吉田敏子と同じく、それ以上にマイペースの書群だ。完璧な個展スタイルだ。氏の文人スタイルが一作完璧主義を忌避するのだろう。
 その文人気質は書を絵画的にしている。大作の「乱」、お馴染みの樋口・ひよこが戯れている。「乱」とは遠い遊ぶひよこだ。二つのひよこは何かに追いすがるような、追い求めているようでもある。母親探しかもしれないし、見果てぬ夢かもしれない。


f0126829_1625125.jpg


 夜叉が美しい花束の面を被っているよう。この字の方が「乱」を思う。女装の男能役者が、黄泉の語りに参上したようだ。



 以下、大まかな写真だけ載せます。


f0126829_16295799.jpg



f0126829_16302728.jpg


by sakaidoori | 2012-04-06 16:47 | 市民ギャラリー


<< 1691)「楢原武正・展」 大...      1689)「刻(トキヲキザム)... >>