栄通記

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2012年 04月 01日

1678)「2.5・・Two Point Five・・アニメーションのある空間(5人展)」アイボリー 3月29日(木)~4月1日(日)

 
 
○ 2.5 ・・・Two Point Five・・・ 

   「アニメーションのある空間
 


    (北海道教育大学岩見沢校美術コース・アニメーション研究室 5人展) 


 会場:ほくせんギャラリー ivory(アイボリー)
      中央区南2条西2丁目 
       NC・HOKUSENブロックビル4階
      (北西角地、北&西に入り口あり)

 会期:2012年3月29日(木)~4月1日(日)
 時間:11:30~18:30 
   
 【参加学生】
 池田真由美 佐々木志乃 進藤美保 千葉麻美 広瀬礼佳

ーーーーーーーーーーーーーー(3.31)

 「空間」を意識した試み展だ。気持ちは確かに「空間」表現で、それぞれの学生が一ひねり、一工夫していた。が、空間表現とは難しいものだ。「立体」作品止まりの感もするし、展示全体の空間がスキッパー気味で寂しくもあるし、大胆性や意外性にも不十分だし、確かにイマイチのところはある。が、個々の感覚には楽しいものがあった。動画以上の「アニメーション」にチャレンジしていた。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:「透ける日常」・全員の共同作品。(進藤美保の個別作品がなかったので、彼女が中心かもしれない。)


 (写真は黒っぽいが、)部屋はいたって明るい。アイボリー・ギャラリー特有の冷めた空間に、ふんわり大らかに漫画チックな映像がポツン、ポツンと写し出されている。小さな幸せ感覚です。色といい、描かれた模様のシンプルさ、「当世女学生気質」だ。全く嫌味無く、何の意味もなく、日常の「お部屋の雰囲気」をチョット明るくコミカルに浮かび上がらせている。
 実際、映像のスクリーンは箱形の正面を利用していて、その箱が本物みたいにそこにある。変にリアル。見事に「透ける日常」になっている。
 とにかく飽きることなく幸せ気分で見続けれる。つまり、「日常が透けると幸せになれるのよ!!アー、明るく軽く透けるって最高」。


 さて、左側で女学生が壁にうずくまっている。「うずくまる女」、気になるところだ。早速写真を撮った。


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     ↑:佐々木志乃、「時間のない部屋」。


  もしもし、何をしているのですか?


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 何か良い夢みえますか?


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 (女が寝ていると男はよからぬ妄想をみるものだ。すると、)


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 (そんな男心を見透かすように、「目」が現れた。睨まれた。「喝!」)


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 (恐ろしき女性だ。こちらの心を読んでいる。すると、)


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 (なぜだか今度は「手」がでてきた。あな、摩訶不思議なオンナである。)



 なかなか面白いことをしている佐々木志乃だ。あまりに真剣にうずくまっていたから、妄想を抱く余裕は無かった。真剣な顔は美しいものだ。
 背景の映像心模様と見る必要はないだろう。一つの日常性に対する「異議申し立て」のような作家の眠りだ、パフォーマンスだ。何をしたいかははっきりとは分からないが、演劇と映像と漫画をミックスしたような作家・佐々木志乃のアートな片隅だった。



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          ↑:広瀬礼佳、「Wax Frame」。


 B4版ほどの大きさの写真が階段状に40枚ぐらい連続してわずかな間隔でぶら下げられている。線香か何かで焼いて穴を開けている。その穴が上の方からだんだんに拡がっていく。上の写真は焼かれた最終局面ということになる。フィルムの早回しの応用編みたいだ。写真にはワックスでコーティングされている。明るさや紙の強度を高める為だろう。

 作家の説明文、「焼きつく、日常の絵。一コマずつ焼けてゆく」


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     ↑:裏側かと横からの風景。


 面白いことをしているとは思うが、アイデアの第二塙段階のようだ。一枚一枚は作品の材料で、今作は試案段階に見えた。
 それと、作品全体イメージは「細かく見せない」というもので、しかも小さく感じた。この小なる世界に、相反するような大なる世界、あるいは・・・・過剰に300枚位を階段状に流すとか・・・もう一つ工夫なり大いなる情熱が欲しかった。



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     ↑:池田真由美


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     ↑:池田真由美、「itsy bitsy spider」。


 「ここから覗け」、とあります。覗くと・・・


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 真っ暗な世界で、アリがはいずり廻っていました。ガチャガチャ、ガチャガチャと賑々しく音をたてながら並んでいました。明るい光を出しながら、まるで蛍のようでした。そして、いつまでもいつまでもガチャガチャ、ガチャガチャといって箱の中で暮らしていました。ただそれだけでした。アリさん、さようなら。



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          ↑:千葉麻美、「SHIRUSHI」。


 等高線で紙を切って、それを重ねていった立体地図模型のよう。
 一枚一枚がフイルムで、その重なりとしての映像ならぬ」盛り下がる立体作品」なのでしょう。どこか広瀬礼佳の線香で焼いた作品に通じます。片方は欠落へ向かい、こちらは完成に向かう。

 この作品も試案段階の仕上がりだ。さー、これから大きく深くだ。3年生だ。時間はある。不完全形の「3年生展」でもあった。次が楽しみだ。

by sakaidoori | 2012-04-01 01:07 | 北専・アイボリー


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