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栄通記

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2012年 03月 21日

1666)②「第15回 多摩美術大学版画科OB展」 さいとう 終了・ 1月31日(火)~2月5日(日)

   
○ 第15回 多摩美術大学版画科OB展  


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2012年1月31日(火)~2月5日(日)

 【参加作家】
 石原誠 伊藤あずさ 上田政臣 御囲章 小川了子 川田竜輔 澤村佳代子 佐治直魅 三瓶光夫 島田北斗 鈴村優 竹腰桃子 谷黒佐和子 友野直美 西岡久實 ネモトサトコ 波磨悠子 早川純子 林朝子 堀田恵理 吉川奈菜子 渡邊慶子・・・以上、22名。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(2.2)


 1642)①の続き。


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     ↑:川田竜輔、。左側、「ヤマ」・94×84㎝ 2011年 木によるリトブラフ。
             右側、「天こ盛り」・103×72.8㎜ 2012年 アクリル 紙。


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 モクモク煙の中に、人の顔が一杯ある。泣き笑いの川田・芝居だ。画面もそれなりに大きいし、大きな気持ちで描こうとして良いのだが、なぜか物足りない。どこか一本調子な感じだ。心地良い気分で創作に取り組んでいるのだろうが、希薄な大きさに終始している。土根性の大きさ大らかさ軽やかさがあればと思った。


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          ↑:友野直美、「寒風 ひだまり」・41.5×59.5㎝ 2012年 木版(凸版 ニス版)。


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     ↑:友野直美、「ねむりのおと 20121」・24.5×24.5㎝ 2012年 木版(凸版 ニス版)。


 茫洋な空気感とか、取り留めのない存在感とか、何処か捕らえどころのない不確かな物の存在性を追究している画家だ。
 以前の壺のような丸い物への拘りから、最近は骨筋明瞭なシルエットを画題にしている。
 冷えた空気に混じって、シャーンという音というか、何やらがそこで響き合っているようだ。
 ところで、氏の美的感覚は個展向きだと思う。小さい部屋でも構わないから、友野美学のみで覆われた空間をみたいものだ。


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          ↑:渡辺恵子、「ねむりにゆく」・36×45㎝ 2011年 ミクストメディア。


 以前の動きは収縮する煌びやかなものであった。今作も、画題や色合いは同型なのだが、穏やかならない激しい動き、そんな息吹を感じる。「ただ美しいだけジャーないわよ」そんなつぶやきも聞こえる。


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     ↑:波磨悠子、「三茶会」・45×140㎝ エッチング 木版。


 童話風のピノッキオ・ドラマです。


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     ↑:島田北斗、「教会へ行く道」・90×125㎝ 2011年 エッチング アクアチント。


 二本の通路は「教会へ行く道」とある。僕には教会の下を這い巡っている地下通路に見える。そして、教会の廻りの地下は墓所でもあるから、墓場を訪ねている場面に見える。アリのようにして、地中に潜っているのだ。その筆遣いの童画風と重なり、あどけない哀しさを表現しているみたい。心が疼く作品だ。


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     ↑:小川了子。左側、「風を聴く」・110×90㎝ 2011年 リトグラフ コラージュ ドローイング。
              右側、「水鏡」・82.5×72㎝ 2012年 木版 リトグラフ コラージュ ドローイング。


 宇宙や生命体の細部や秘部をまさぐり捕まえようとする執念を感じる。一心乱乱に対象とつかみ合い、自分のものにしないと気がすまないという執念だ。その執念が美しく燃えている。



 毎年毎年楽しみにしているグループ展だ。ほとんどの作家やその作品はこの機会でなければ会うことができない。恋人との再会といえば少しオーバーになる。知友との年に一度の巡り会いだ。だから、いち早く多くの作品を報告しなければならないのだが、思いが強いと後手後手になってしまう。私の悪い習癖だ。

 今年しはこれでお終いにしよう。また来年の2月にお会いしましょう。



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by sakaidoori | 2012-03-21 00:03 | さいとう


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