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栄通記

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2012年 03月 11日

1653) ①「2012年 行動展 北海道地区作家展」 時計台 終了・3月5日(月)~3月10日(土)

 

○ 2012年 行動展 

        北海道地区作家展     


    会場:時計台ギャラリー 2階全室
         中央区北1西3 
         札幌時計台文化会館
         (中通り南向き)
        電話(011)241-1831

 会期:2012年3月5日(月)~3月10日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 会員:神田一明 斎藤矢寸子 高橋美加子 冨田知子 山田あや子 矢元政行 
      他、会友・一般多数
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.7)

 「行動展」、栄通記初登場です。
 会員の作品から会の特徴を考えると・・・個性的であり、個性のまとまりのなさ、そんな感じです。もっとも、この特徴はどの全国公募団体にもある程度はあてはまり、あいまいな紹介ともいえます。「独立展」の人間追究型とは似ていますが、あちらほどドロドロせず、「知性」というか、より「理知的」ではないでしょか。

 以下、会場風景です。

1653) ①「2012年 行動展 北海道地区作家展」 時計台 終了・3月5日(月)~3月10日(土)_f0126829_2245363.jpg
     ↑:会員3人だけの風景。この会の、実力者の不一致な傾向が面白い。


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 20名以上の参加です。会員・会友・一般を問わずに、ほんのわずかばかりの紹介です。


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          ↑:会友・小笠原実好、「復活」・P150。

 男っぽい作品だ。フォルムというのでしょう、形は実に堂々としている。この形が、今作の最大の魅力だ。
 開口一番の作家からのメッセージ、「傷だらけの人生だ、鶴田浩二だ」と言い切った。
 確かに、鋭く深く直線に切り刻んでいる。その傷跡に、あとから着色されている。だが、この傷は見る人を痛さの深みに誘い込まない。再起不能のイメージではない。存在証明としての傷になっている。

 この作品は2点の絵画的契機で、明るいメッセージを伝える。
 一つは、先にも言ったが、この黒い形だ。人体のようでいて、人体に限定されない魅力がある。「生命体」としての生きて、膨らんで、威圧する、何かを謳歌する、立ち上がる存在に見える。

1653) ①「2012年 行動展 北海道地区作家展」 時計台 終了・3月5日(月)~3月10日(土)_f0126829_2322217.jpg 一つは、左下のピンクの穴だ。(左の写真。)僕には希望の穴に見える。
 ピンクだ。光の象徴である「白」ではない。なんともやさしい色を配置したものだ。
 穴という絵画の「窓」は胴体のような生命体ともうまく連動している。その意味では、迫力はあるが、意外に矛盾もなく、収まりのいい絵でもある。脇を締めて、傷口からの出発だからだろう。タイトルも「復活」とある。


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     ↑:会員・神田一明、「狂女 (C)」・F150。

 「狂女」、お馴染みのタイトルだ。しかし、燃えるような「黄色」、女の足下の「黒い影」、座りたくない「黄白いソファー」、踊る「サックス」などが狂っているように見える。女が狂っているのではない、彼女以外のものが狂っている。だが、自分以外の物全てが狂っている時に、果たして自分は狂っていると言えるのか?
 まとまりがあって、どこかまとまりの悪い黄色い神田・ワールド。
 ところで、一時期のワイルド感が薄れた感じがする。わずかな不協和音を追究しているからだろうか?


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     ↑:会員・冨田知子。左側、「翼をどうぞ」。右側、「乾いた領域」・F120。

 人体があって、×が描かれていたりして、浮いた雲もあったりする。「祈り」というものを表現の底にもっているのかもしれない。

 そういう説明的ことばよりも、僕にとっての冨田絵画の魅力は「円い形」の可笑しさだ。真剣なことを知的に追究している画家ではあるが、どこか抜けたような笑いがある。それらは画家の意図ではないだろう。意図でないから面白い。

 白と黒と灰色の画家と思っていたが、大胆に「赤」がある。この辺がこの画家の知的なところで、果たして工夫の一環以上の成果があるのか?乾いた灰色の冨田ワールドが膨らんだのか?
 かなり前のギャラリーどらーるでの個展、それ以来まとまった数の作品を見ていない。


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     ↑:会員・矢元政行、「モニュメント」・S100。「モニュメント(天・空・地)」・35×47㎝ 113×47㎝ 27×47㎝。


 いつ見ても、この全身入魂・矢元ワールドには圧倒される。違う場所で感想記を語る機会があるでしょう。


1653) ①「2012年 行動展 北海道地区作家展」 時計台 終了・3月5日(月)~3月10日(土)_f0126829_065590.jpg
          ↑:会員・高橋三加子、「刻ー2011」・F130。


 「結ばれる・結ばれない」人と人との関係を追究している画家と思っています。同時に、おかしな人の仕草を通して、関係性に重なるようにして、「ユーモア」や「哀しさ」、そして人という存在の意外性も感じざるをえません。
 今作もその流れの一環です。淡々と絵画という仕事を進めている、そういう今なのでしょう。


 続けて②です。

by sakaidoori | 2012-03-11 00:04 | 時計台


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