2012年 03月 11日
○ 2012年 行動展 北海道地区作家展 会場:時計台ギャラリー 2階全室 中央区北1西3 札幌時計台文化会館 (中通り南向き) 電話(011)241-1831 会期:2012年3月5日(月)~3月10日(土) 時間: 10:00~18:00 (最終日は~17:00まで。) 【参加作家】 会員:神田一明 斎藤矢寸子 高橋美加子 冨田知子 山田あや子 矢元政行 他、会友・一般多数 ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.7) 「行動展」、栄通記初登場です。 会員の作品から会の特徴を考えると・・・個性的であり、個性のまとまりのなさ、そんな感じです。もっとも、この特徴はどの全国公募団体にもある程度はあてはまり、あいまいな紹介ともいえます。「独立展」の人間追究型とは似ていますが、あちらほどドロドロせず、「知性」というか、より「理知的」ではないでしょか。 以下、会場風景です。 ![]() ![]() ![]() 20名以上の参加です。会員・会友・一般を問わずに、ほんのわずかばかりの紹介です。 ![]() 男っぽい作品だ。フォルムというのでしょう、形は実に堂々としている。この形が、今作の最大の魅力だ。 開口一番の作家からのメッセージ、「傷だらけの人生だ、鶴田浩二だ」と言い切った。 確かに、鋭く深く直線に切り刻んでいる。その傷跡に、あとから着色されている。だが、この傷は見る人を痛さの深みに誘い込まない。再起不能のイメージではない。存在証明としての傷になっている。 この作品は2点の絵画的契機で、明るいメッセージを伝える。 一つは、先にも言ったが、この黒い形だ。人体のようでいて、人体に限定されない魅力がある。「生命体」としての生きて、膨らんで、威圧する、何かを謳歌する、立ち上がる存在に見える。 ![]() ピンクだ。光の象徴である「白」ではない。なんともやさしい色を配置したものだ。 穴という絵画の「窓」は胴体のような生命体ともうまく連動している。その意味では、迫力はあるが、意外に矛盾もなく、収まりのいい絵でもある。脇を締めて、傷口からの出発だからだろう。タイトルも「復活」とある。 ![]() 「狂女」、お馴染みのタイトルだ。しかし、燃えるような「黄色」、女の足下の「黒い影」、座りたくない「黄白いソファー」、踊る「サックス」などが狂っているように見える。女が狂っているのではない、彼女以外のものが狂っている。だが、自分以外の物全てが狂っている時に、果たして自分は狂っていると言えるのか? まとまりがあって、どこかまとまりの悪い黄色い神田・ワールド。 ところで、一時期のワイルド感が薄れた感じがする。わずかな不協和音を追究しているからだろうか? ![]() 人体があって、×が描かれていたりして、浮いた雲もあったりする。「祈り」というものを表現の底にもっているのかもしれない。 そういう説明的ことばよりも、僕にとっての冨田絵画の魅力は「円い形」の可笑しさだ。真剣なことを知的に追究している画家ではあるが、どこか抜けたような笑いがある。それらは画家の意図ではないだろう。意図でないから面白い。 白と黒と灰色の画家と思っていたが、大胆に「赤」がある。この辺がこの画家の知的なところで、果たして工夫の一環以上の成果があるのか?乾いた灰色の冨田ワールドが膨らんだのか? かなり前のギャラリーどらーるでの個展、それ以来まとまった数の作品を見ていない。 ![]() いつ見ても、この全身入魂・矢元ワールドには圧倒される。違う場所で感想記を語る機会があるでしょう。 ![]() 「結ばれる・結ばれない」人と人との関係を追究している画家と思っています。同時に、おかしな人の仕草を通して、関係性に重なるようにして、「ユーモア」や「哀しさ」、そして人という存在の意外性も感じざるをえません。 今作もその流れの一環です。淡々と絵画という仕事を進めている、そういう今なのでしょう。 続けて②です。
by sakaidoori
| 2012-03-11 00:04
| 時計台
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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