栄通記

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2012年 03月 07日

1648)①「札幌学院大学・写真部 卒業記念写真展 2012」アートスペース201 終了・3月1日(木)~3月6日(火)


○ 札幌学院大学・総合芸術会写真部 

    卒業記念写真展 2012
     


 会場:アートスペース201 5階全室 
      中央区南2条西1丁目7
       山口中央ビル 6階ABC室
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2012年3月1日(木)~3月6日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~16:00まで)
             
 
 【参加学生】
 飛内祐樹 橋本葵 平塚まみ 黒坂仁 酒井駿 佐々木聖里子 

ーーーーーーーーーーーーーー(3.3)

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     ↑:(A室。)


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     ↑:(B室。)


 ワンフロアー2部屋を使っての卒業写真展。

 大きめの写真サイズで見やすく、数も多く、一所懸命に丁寧に展示している。好感のもてる写真展だ。
 6人の参加だが、個人別に一塊にしていない。僕の場合、発表者事に感情移入をしながら見ているので、少々見づらい。際だった個性の違いがあれば別だが、学生の写真表現は微差を最大の特徴にしているので、その微差の意味合いが分かりにくいからだ。ただ、発表者事の展示は、頭を悩ませる必要がない。展示する側にとっては面白味が少ないだろう。
 となると、それなりの個性が露わで、ランダムな展示によっても個性は損なわれず、しかも全体でも個を離れた写真表現にする、それがこの手の理想なのだろう。

 さて、微差を楽しむとは言ったが、今展の場合は出品数も多く、見慣れれば個人差はある程度明瞭だ。
 会場では4人の学生との会話ができた。以下、彼らを中心にして簡単な報告記です。


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 以上、飛内佑樹
 一目で分かるように、ヨーロッパの建築群だ。建物が好きな撮影者だ。
 二つの事を思った。
 一つは、その歴史的建築写真は力も入っていて、いかにも「僕は建物が好きだ!アー、この石造り建築物、永遠永久に世界に君臨する姿、大好きだ」という気持ちはしっかり伝わる。おそらく、いろんな写真集で見慣れていた建築物を目の当たりにして、撮りまくった事だろう。それは良い。もし、被写体の紹介集ならば合格だろう。一方で、僕らはこういう写真をプロのカメラマンの目を通して随分と見ている。だから、こういう写真群で個性の発揮となると難しい。今作も、撮影者の記憶にすり込まれた「写真群」を再生している感じはぬぐえない。それはそれで学生だから構わない。まさに卒業展だ。

 一つは、あまり「人」を撮るのを得手にしてないと僕は判断した。写真群には全体のリズムを保つ意味を含めて「人の入った写真」もある。たまたまの点景もあれば、情緒表現にもなりそうな「人入り写真」もある。僕はこの姿勢に違和感を覚えた。
 飛内佑樹という学生は建物だけに興味のある人だと判断した。要するに「人」はいらないのだ。ならば、中途半端に叙情を醸し出すような人物被写体はいらないと思う。好きなものを、それだけを徹底的に人に見せる、この一本気な精神が、「オレにとって建物とは何なのだ?」という自覚に繋がると思う。
 写真とは、「自己の情感・思想」と、「被写体の存在力」とのかねあいだと思っている。その両者のバロメーターのどの辺に位置するか、によって個性が定まると思っている。その自覚・自意識を深める為にも発表の徹底心が大事なのと思っている。



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 以上、酒井駿。まだまだ彼の作品は多くあった。

 酒井駿は凄く頑張っている。多くのテーマを散りばめ、大きく沢山発表している。「モー、写真が好きで好きでたまらない、被写体?何でも良いんだ。何でも撮っちゃうぞー」そういう姿勢が伝わる。
 聞けば、写真を始めて2年ほどだ。熱烈猛烈に写真を撮りまくった2年の軌跡展だった。
 こういう人が、「写真部」という恵まれた環境から離れる事は、本人にとっては残念なことだろう。卒業、それは自由な暗室からの離脱でもある。今は恋人体験よりも暗室体験の人かもしれない。

 だが、人はいつまでも学生ではおれない。社会人になったら、自分にあった写真環境を作って欲しい。そして、撮り続けて、良い機会を見つけては「発表」して欲しい。いつの日か、テーマを絞ってドドーンと見せて欲しい。その時には中味を多く語ろう。


 思いの外長くなりました。簡単に②に続きます。

by sakaidoori | 2012-03-07 00:04 | アートスペース201


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