1645)①「道教育大学空間造形研究室展 変身のしくみ(田中沙織)」 資料館 終了・2月28日(火)～3月4日(日)

○　北海道教育大学空間造形研究室・展　変身のしくみ　　
　　　　　　　　　　　　　　　（４人による４部屋での、それぞれの個展）

　　　田中沙織の場合
　　　　　　　　　　　　　　

　　　会場：札幌市資料館 ２階３室
　　　　中央区大通西１３丁目　
　　　　　（旧札幌控訴院。
　　　　　　大通公園の西の果て）
　　　　　電話（０１１）２５１－０７３１

　会期：2012年2月28日（火）～3月4日（日）　
　休み：月曜日
　時間： １１：００～１９：００
　　　　　（最終日は、～１７：００まで。）

　【参加学生】
　秋元さなえ　太田友真　田中沙織　滝ヶ原真悠

ーーーーーーーーーーーーー（3.3）

　毎年開かれている。教育大生のよるインスタレーション風の美術表現。
　無理に今年の傾向をいえば、無理せず力まずというものだ。実験性とか、表現方法の模索という現代美術の最前線・学生版とは違う。こうして、数人が一塊になって自分の持ち場を問い続ける、その事が北海道にとっては貴重な価値だ。
　等身大の、自己確認のような空間、それは表現の虚構性に支えられているのだが、彼等には「虚構の意識、世界の断絶感」からは遠いようだ。「虚構？そんなの、当たり前ジャン」と言われそうだ。空間を楽しめる人達、若人の軽い感覚、無理のない姿勢、そこに物足りなく思うかもしれない。親しみを感じるかもしれない。


○　田中沙織の場合　（札幌市出身）


　「気の行き先」　　　　
　　　　　　　　　　　　インスタレーション
　　　　　　　　　　　　水あめ　針　布　ビーズ　糸







　「見えないものに、溺れている感覚を探しています。きっと彼らはすぐそばにいるし、今もわたしたちは溺れているのだと思います。謙虚で獰猛（どうもう）な彼らを見てみたい。
　また、わたしたちは風として、彼らと接することができます」


　白い布きれをぶら下げたり、散らばしたりしているだけ。アクセントにビーズも転がしている。東からの陽の光を受けて、真昼の部屋が白くなっている。余白美の追究？癒しの空間？それは作家の表現体質かもしれないが、目的のメインではなさそうだ。
　何だか、部屋の四隅が拡がった感じがする。やたらに天井の白さが目立つ。シャンゼリゼって、こんなに綺麗だったかな？作家も壁や天井に目を向ける事を目的にはしていないだろうに、やたらに白壁白い天井が目を覆う。
　今日の光は明るい。ポエムに流される一歩手前でたたずむ感覚、目を見開いて白いクズを見、ウロウロ歩く。お客さんとの交わりの徴に、水飴を口にする。甘い。
　子供だましのような落ち着く空間でもあった。床の針がチクリと誰かを指したそう。思い悩む事どもを、この針が刺してくれればいいのだが。































　なぜだか水飴です。白く濁った塊が清らかだった。