栄通記

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2012年 03月 04日

1642) ①「第15回 多摩美術大学版画科OB展」 さいとう 終了・ 1月31日(火)~2月5日(日)

○ 第15回 多摩美術大学版画科OB展  


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2012年1月31日(火)~2月5日(日)
 時間: 10:30~18:30
      (最終日は、~17:00まで)


 【参加作家】
 石原誠 伊藤あずさ 上田政臣 御囲章 小川了子 川田竜輔 澤村佳代子 佐治直魅 三瓶光夫 島田北斗 鈴村優 竹腰桃子 谷黒佐和子 友野直美 西岡久實 ネモトサトコ 波磨悠子 早川純子 林朝子 堀田恵理 吉川奈菜子 渡邊慶子・・・以上、22名。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(2.2)

 見事に一月前の報告です。遅くはなりましたが、それが「栄通記」というものです。
 まずは会場風景から始めましょう。そして、ピンポイント作品の掲載です。全くの好みを中心に、10人位しか掲載できないと思います。


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 何はともあれ、入り口会場正面で、ドーンとお出迎えの「赤いクレオパトラ」から始めましょう。


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     ↑:ネモトサトコ、「言葉と気圧」・F100 アクリルガッシュ パネル。


 とても版画展とは思えないような、堂々とした絵画だ。似たような画題の毎年出品で、、燃えるような赤でこちらを睨んでいる。初めの頃は黒だった。黒から赤に変身してしまった。睨んでいるとは言ったが、半開きの唇顔と定まらない両目の視点の重なりで、かなり間延びしている。日本型の鼻筋はかわいく、堂々さ、いじらしさ、剽軽さが入り混じった「赤い女」だ。

 唇、鼻筋、目線、髪型、髪模様と、これだけ大きな女になるとがっぷり四つになって対峙してしまう。見れば見るほど妙な不具合さに考え込んでしまう。首が更に妙だ。全く、「首」という絵になっていない。ただ塗りつぶしている感じで、「赤い面」を強調したい為の飾りとしての「首」だ。
 作家はリアルの危うさを表現したいのだろう。相反するものの隙間を覗きたいのだろう。
 ネモトサトコは温度差という「危険」に、ムリクリ我々を連れて行こうとしている、挑発している。「赤い女」にはご用心だ。


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     ↑:林朝子。左から 「緋鯉あそび」・44×38㎝ 水彩 アクリルガッシュ 紙 2011年、「松雨」・34×27㎝ 2011年 アクリルガッシュ インク 他。


 画題を楽しむ作品だ。レスビアン調の大正浪漫風エロスとでも言おう。美少女の目や唇は挑発的で、花よ魚よと女を象徴するものが散りばめられている。これまた版画展とは思えないような楽しさだ。日本には「春画」の伝統がある。アニメチックな春画を期待しよう。


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     ↑:竹腰桃子。


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          ↑:竹腰桃子、「サギとカニ ~ジャーカタ物語より~」・59.5×31㎝ 木版リトグラフ 2011年。


 林朝子レスビアンの後に、続けてこの作品を見ることになる。配置の妙だろう、「本格的妖艶派」に見えてぞくぞくしてしまった。
 黒の表現が個性的だ。塊としての黒や具象表現の黒は装飾で、濃淡の黒が人物のようで、けだるく立ちすくみ、ストレートな感情表現の絵にしている。3点の全体の勢いは「激しい女」だ。


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     ↑:上田政臣。

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          ↑:上田政臣、「フリィベックス」・36×27㎝ エッチング 2011年。


 小品だが大胆奇抜な作品だ。古代木造建築の建造時の落書きのよう。
 基本は勢いにまかせた落書きだ。重ね描き、無茶苦茶描き、いたずら精神というもので、それでいて一つの作品として完結させるのが画家の工夫だ。上手く描いてはいけない、殴り描きの中から涌いてくる暗中混沌たる精神、線の丼状の塊の中から、何かが生まれるのを画家は欲しているのだろう。


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     ↑:早川純子。


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          ↑:早川純子。


 これは何かの物語の連作でしょう。生き物の表現と言い、物語を一枚の作品に収める力量といい、黒の魅力といい、製本された絵本で見たいものです。字の少ない絵本にしてもらいたい。


f0126829_22101572.jpg ②に続く。


 
 →:ネモトサチコ。

 見事な2重人格顔だ。

by sakaidoori | 2012-03-04 00:01 | さいとう | Trackback | Comments(2)
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Commented by tocodama at 2012-04-16 22:08 x
丸島さん、OB展に出品したネモトです。毎年OB展のブログを書いてくださりありがとうございます!突然更新されているので、ブログを訪ねるのが楽しみになっています。
私のブログでも、丸島さんのブログ紹介させていただきました。(4/16の記事です)ちなみに、「ネモトサチコ」になってるところがあります!「サトコ」ですよーー^^
Commented by sakaidoori at 2012-04-17 07:44
> tocodama さん、ことネモトサトコさんへ

 お早うございます。
 名前、すいませんでした。ネモトサトコ、ネモトサトコ、サトコ、サトコ、サトコ、サチコ、サチコ、サチコ、ネモトサチコ・・・、だんだんと頭の中で自動変換してしまいました。
 早く書くべきなのですが、今回はブログ自体が長期休暇に突入してしまいまして、こういうことになりました。①、②ときたら③と行けばいいのですが、今回は断念です。
 年に一度、しかも関係者に会えるか会えないかわからいのですが、なぜだか楽しみにしている多摩美術版画OB展です。来年はなるべく初日に行きたいですね。(いつも、そう思っているのですが、いつもいつも遅くなります。)

 川田竜輔君にも、機会がありましたら宜しくお伝え下さい。
 わざわざのコメント、ありがとうございました。

 追伸、貴ブログ読みました。紹介して頂き、恐ろしく恐縮しています。恥ずかしいやら何やら、重ねてありがとう。


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