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栄通記

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2012年 03月 03日

1641)「高橋あおば 『forest展』」 エッセ 終了・2月21日(火)~2月26日(日)

○ 高橋あおば  

          forest
  


 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2012年2月21日(火)~2月26日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2.24)

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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 高橋あおばは今春の北海道教育大学・大学院修了生。
 初個展、ということで、在学中の作品の網羅展だ。網羅展につきもののまとまりの無さも感じはするが、色合いは一定していて、見る分には程良い安定感を保っている。線描もたゆたゆしさで一貫している。「下手」と言ってしまえばそれまでだが、学生らしさや若さでもあり、自分らしさが出ていて好ましい。
 傾向としては緑系主体の日本画の雰囲気、肉筆線に対する愛着、木や植物に託した自画像、その自己は深刻に悩むというのではなく、「私って何処に行くのかな?まっ、いいか」的なフラフラ感・・・そういう現在として見た。


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     ↑:左から、「雨の日の空想」・2009年 キャンバス 油彩 クレヨン。「仮想空間」・2009年 ジェッソ アクリル ワニステンペラ 油彩 クレパス クレヨン。

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 重複の写真掲載で恐縮。お気に入りの一枚だからです。
 渋い色合いに、ゴチャゴチャと描きまくる。藪の中を、空間の奥を、花弁の極みを見る覇気が良い。一心不乱に満遍なく「花」を描けばどうなるか?強い生命力と溌剌さをうむ。ところがこの絵は、赤茶けた色で構成していて渋い。発散する心を制御している。他の作品にはこれほどの熱情はない。燃える思いを表現する学生ではないようだ。時折見せる止むに止まれぬ激しさかもしれない。


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 線は拙い。特に格子状の模様は絵というよりも「線」そのものだ。ところが、花びらの輪郭線は、たゆたゆうしくて絵になっている。
 巧みな線になれば気品は漂うだろう。この作品に見られる日本画の傾向は上手さを求めているかもしれない。だが、巧みな線ではこの人らしさがない。上手すぎてはダメだし、単純に下手では話にならない。絵画制作の反復と自己確認が方向を決めるのだろう。

 線描は人目を惹きやすいから、その欠点を何だかんだと言われていだろう今風の情感として見るべきだろう。
 一方、空間処理には相当に気合いが入っている。服地の濃淡・陰影に価値を見いだしているのだろう。密かな迫力とでもいおうか、高橋あおばの入魂の世界だ。拙くも自由な線描との対比で絵をささえている。
 目立つ激しさよりも、目立たない深さを追求したいのかもしれない。


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     ↑:「※winter forest※」・2012年 石膏 クレヨン。


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 小品ですがとても好きな作品だ。
 紬色は相変わらず渋い。それよりも、木々の輪郭線が良い。心許なく立ちすくみ、何かを求めているようで、それでいて強く恋すがるでもなく、やっぱりそこに立つ。絵は小さいのに、気分が晴れやかに拡がっていく。小品という、傍によって見入る行動と感覚が、自分事のような楽しき誤解をうんでいる。何処か懐かしい牧歌的な叙情と、明日に羽ばたこうとする素直な感性を思う。


 いろんな事を試みている。試みではあっても、ある種の完結さがあり、見る分には安定感があり気分良く接する事ができる。極端な失敗作が無いという意味では、もっともっと冒険の余地があるともいえる。
 既に言葉が多くなりました。以下、写真だけを載せます。楽しんで下さい。



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          ↑:「※image3※」2011年 石膏 箔 クレヨン 顔料。


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     ↑:「その先へ」・2011年 石膏 クレヨン。


1641)「高橋あおば 『forest展』」 エッセ 終了・2月21日(火)~2月26日(日)_f0126829_16272320.jpg ↑:「林」・2012年 石膏 クレヨン。


 男は何かを求めて上に伸びようとするものだが、この絵は違う。心や体の揺れを遊んでいるようだ。

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          ↑:「※image2※」・2010年 画用紙 クレヨン 顔料 油彩。







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by sakaidoori | 2012-03-03 00:01 | エッセ


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