1623) 「米澤卓也・個展 Vol.3 『Day Tripper』」ｱｲﾎﾞﾘｰ 2月14日（火）～2月19日（日）

○　米澤卓也・個展　Vol.3　

　　　　Day Tripper


　会場：ほくせんギャラリー ivory（アイボリー）
　　　　　　中央区南２条西２丁目　
　　　　　　　NC・HOKUSENブロックビル４階
　　　　　　（北西角地、北＆西に入り口あり）

　会期：2012年2月14日（火）～2月19日（日）
　時間：１１：００～１９：００　
　　　　　（最終日は、～１７：００まで。）

ーーーーーーーーーーーーーー（2.16）





　（お久しぶりです。近況の報告は後日ということで、まずは現在開催中の展覧会を報告です。キーボードの叩きがおつかないので、上手くお伝えできるでしょうか・・・）
　
　（以下、敬称は省略させて頂きます。）

　米澤卓也は道教育大学・大学院１年の学生。大学生３年次からしっかりと個展をしていて、年々良くなる膨らむ米澤・個展だ。そのスタイルは「物語」と言い切っていいだろう。物語だから、始まりと終わりがあって、粗筋があって流れがあって、時の経過と説明調がつきまとう。言葉も入りがちになる。要するに面倒くさいところがあるわけだ。今回は文字を廃し、簡潔明瞭にして大胆な空間作りと構成で迫っている。それだけ見る側の勝手な空想が拡がる。

　会場は二部構成。七色の背景色に一匹の「アブ」がたたずんでいる。つなげている。見終えたところは、意外にも次室に繋がっている。そこは暗く大作をスポット・ライトで照らしている。


















　「Day　Tripper」＝軽快に歩く（踊る）人。

　赤に始まり、色をともない、アブに連れられ、白い部屋から黒い部屋に。夢見る青年・米澤卓也の小宇宙だ。
　絵画群力、構成力で徹している。その芯のあらわな姿勢が心地良い。
　優しい世界だ。だから、米澤ワールドに厳しさや凄みを求めてはいけない。どこまでも丁寧に優しく、優しく優しく・・・。それでも、「凄みのある優しさ」、「普通であって、普通以上の優しさ」そんなものを求めたくなる。というのは、今展での大作は迫力不足と思った。絵画空間の演出以上の作ではなかった。おそらく、「米澤・優しさ」の絵画的意味、あるいはその優しさの向こうにあるものの問いつめが不十分なのだろう。不十分と言うより、この大作が生まれた事によって、その甘さ弱さが浮かび上がってきたのだろう。
　見るこちら側に米澤ワールドの向こう側を感じる。感じはするが、その絵画化は長い時間がかかるのだろう。

　それにしても空間に取り組む姿勢、意欲は素晴らしい。なんとなくいつまでも、そこに居残りたくなる。若いエネルギーと感性が素直に満ちていた。


　会場は作家が常時滞在しているでしょう。会話として、物語の粗筋なりを確認し、作家と共々楽しんで下さい。