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栄通記

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2011年 11月 09日

1611) 「西辻恵三・展」 時計台 11月7日(月)~11月12日(土)

○ 西辻恵三・展    


 会場:時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2011年11月7日(月)~11月12日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.7)

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     ↑:「月人 ー心ー」。


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     ↑:「月人 ー心ー」。


 (画題は最近の傾向通りだが、一つのテーマで貫いている。信念を貫いた姿に、画家の最近の好調さを思う。以下、敬称は省略させて頂きます。写真の色ですが、照明の当たった部分に青味がでています。一部の作品を除いて、全面黒として見て下さい。) 

 「絵画としての黒装束さと、月との戯れ」で徹底している。画家の気質のエネルギッシュさと掛け合わされ、しかもアブラの強い光沢をも得て、力強いものになった。余白の「黒」は余韻というには程遠く、勢い書きを避けて緻密に濃厚に色を重ね、マグマ溜まりのような黒の世界になっている。画題の遊び心とは裏腹に一本気な背景だ、存在感として黒い余白だ。

 画題のシュールさや、人体の優しさ、月に象徴された時空の果て、などに関心はいく。しかし、今回は「黒」にこだわろう。
 「白」は目に飛び込み、「黒」は目から離れる。だから、黒色のタイツを着る女性の足は細く見える。白いブーツ姿の足は太く見える。そして、黒はそれ自体で自己主張し、白は他の色との関係性を重視したがる。黒は深淵という存在感を生み、白は余白美を造る。

 「余白の西辻・黒」はアブラの光沢と重なり、白の如くに目に飛び込む。深遠なき存在感としての黒だ。そんな黒ばかりではうるさ過ぎるから、白とのからみで成り立つ人体や、その輪郭としての黒ではゆったり感を出して深い黒を演出している。だが、この軽いシュールさやシルエットの遊び心と、背景から強い存在として迫る黒との関係はどうなのか?絵としては両者に破綻はない。それは画家の自信の表れだろう。

 黒の存在力を誇示した展覧会である。物の存在にこだわる西辻恵三でもある。


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     ↑:「月人 ー想ー」。


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     ↑:「月人」。

 月人が五右衛門風呂で釜ゆでにされているみたいだ。


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     ↑:「青の中」。

 緻密に青が黒と対決しています。


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               ↑:「月人6態 ⑥」。

 小品の中で一番のお気に入り。半月のリアル感と、半月さが月の本体の大きさを空想し、全てがのんびりと進んでいるみたいです。そんなリアル感開放感ノンビリ感が好きでした。

by sakaidoori | 2011-11-09 20:32 | 時計台


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