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栄通記

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2011年 11月 07日

1609) 「500m美術館・オープニング記念展 (前期展)」 500m美術館 11月3日(木・祝)~2012年1月28日(土)

○ 500m美術館・オープニング記念展 (前期展) 


 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      「地下鉄バスセンター前駅」から「大通駅」に向かっての約500m。
     
 会期:2011年11月3日(木・祝)~2012年1月28日(土) 
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間)

 参加作家:朝地信介 阿部典英 伊藤隆介 樫見菜々子 加藤宏子 上遠野敏 川上加奈 小原道城 佐藤武 島田青丘 下沢敏也 田村陽子 富原加奈子 中野北溟 西田陽二 他、合計23名

ーーーーーーーーーーーーーーーー(11.3)

 前期後期で約50名ほどの作家が登場する。絵画、版画、立体、写真、書、映像など多ジャンルだ。ライブや市民参加型もある。年齢も幅広い。当地を代表する美術家・表現者が大半だ。初期の季節限定「500m美術館」の学芸会雰囲気ではない。札幌の総花的美術展でもある。この場の将来設計はわからないが、始まりは全ての元だ。程度やバリエーションの差はあれ、こんな形ですすむのだろう。

 前期の特徴として書が沢山ある。写真はない。後期には逆になるのだろう。

 ドドーンとお気に入り三羽ガラスを載せます。何故だか全てハッピーなムードで女性ばかりだ。オレの心はそんなに明るいのだろうか?決して不幸ではないのだが。
 それから、当展の陳列との絡みで何人かを載せたいと思います。項目の末尾に、当ギャラリーの雑感を記しておきます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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     ↑:久野志乃(絵画)、「仮に白い世界で」 「we found a boat」。

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 久野志乃は絶好調だ。明るく元気一杯、幸せを求めてどこまでも行くんだ、攻撃的健康的発色だ。画家会心の絵巻物の誕生だ。彼女にこれほどのエネルギーがあるとは思わなかった。いや、あったのだ。それは知っている。出すことに対して躊躇していたと言うべきだろう。ここまでやるのならば、一面の白壁に夢物語を育てればよかったのに。
 空間に感応する画家なのだろう。ある空間に、「あー、カンジル カンジル・・・」というものだ。感じるのは良いが、自己陶酔が克ちすぎた時は、絵は面白くない。しかし青春がある、青年に与えられた特権でもある。
 今作、飴玉を無数に頬ばって、アメダマ・アドレナリンの行くままだ。セクシャルさは微塵もない。だから暗さもない。それは深さがないとも言える。が、若い人に不必要な深部を求めまい。セクシャル・アドレナリンはいつかは切れて、倦怠が身を襲う。
 アメダマ・アドレナリンがある。舟は見つけた。乗るだけだ、進むだけだ。


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     ↑:樫見菜々子、「みえる空気」。


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 フックラとして大きくてふわふわとして、何て良い気分なのだろう。

 樫見菜々子が大きな作品を作った。それは驚きであり、素敵なことだ。濃密さと一所懸命さで大きな夢袋を作った。作品にこもる過剰なエネルギーが伝わらない。そこが良いところだ。良い気分に過剰さは必要ない。邪魔だ。
 樫見菜々子の大風呂敷にだまされそうだ。だまされたい、だまされてみよう、良い気分。


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     ↑:針、ライブ ペインティング。


 「見て見て、わたし可愛いでしょう、見て見て。今日は大きく見せちゃうから。何て幸せな街角なんでしょう」

 「ハリさん、こっち向いて」と声をかければ、「はーい」とふり向いては笑顔で応えてくれた。絵もまぶしいが本人もまぶしい。これは演技なのか素顔なのか、まぶしきかな女性軍、おそろしきかな女性軍。止めたい止めれない女性軍。


 さて、以下は場と作品ということで考えた作家達です。

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     ↑:佐藤武、「眠るオベリスク Ⅰ・Ⅱ」。


 氏のテーマは「近代人の孤独と不安」です。今作もそうなのだが、それは作家の意図であって、今回は全く別に見えた。失礼だが、「大きなポスター」に見えた。そのことがとても新鮮だった。

 作家の技量は高い。耽美主義に徹して作品が進めば、本当に「美の記念碑」を札幌市民は手に入れるだろう。しかし、廃虚の古代都市の真上に巨大な石を浮かべては不安感を表現している。その美しさだけで不安感を表現すればと思うのだが、何故に象徴的に「落下する石」などを描くのだろう。あまりに説明過多で、折角の「耽美から生まれる不確かな存在感」という道を塞いでいると思う。

 今作、今までの技量の高さを隠して、のっぺりとしたポスターとしてそこにある。「エッ、何でここにポスターがあるの?それに何を描いてるの?」と、近づきたくなる。何か変だな~、何かへんだな~、そういう思いが作品を記憶に刻んだ。
 作家は間違いなくこの場を意識して、あえて普段の作風とは違えて参加した。違和感漂う作品であった。


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     ↑:朝地信介、「はざまにすむもの」。


 ここで大好きな朝地信介を書こうと思った。川上加奈も続けて書こうと思った。ですが、疲れてしまって今日は先に進めません。会期は長い。そのうちに両者の雑感を記したいと思います。

 ②に続く



      ~~~~~~~~~~~~~~~~

 上記の作品感とは違って、当ギャラリーの門出に対する雑感を記しておきます。


 地下通路を利用した開放型市立美術館の誕生だ。その名も「500m美術館」。
 数年前から、この時期限定で同名の展覧会が同じ場所で開催されていた。今から思えば、その催しはこの日の為の準備だったのだろう。更にいえば、現在「札幌ビエンナーレ」の計画がある。それとストレートに連動するわけではないが、その為の環境作りの一環である。

 ところで名称だが、「美術館」と名をうっている。しかも設立主体は札幌市であり、問い合わせが「市役所文化課」であるから管理運営は札幌市であろう。(現場の実務運営はCAI02内にあるようだ。)だから公立の「美術館」のようだが、館長も専属の学芸員もいないようだから「美術館」ではない。市の管理運営する「常設のギャラリー」ということだ。
 それでは肝心の運営委員会の存在や、運営委員やその代表は誰かというと、これがわからない。会場にはフリーペーパー風の立派なパンフレットが用意されている。参加作家を詳しく紹介している。市長の挨拶文がある。「オープニング記念展と今後の展開」という文を芸森副館長の吉崎元章氏が寄せている。氏の肩書きに、「500m美術館常設化検討委員会委員」とある。その二人の文章しかない。「常設化検討委員会」とは誕生してしまえば過去完了形のような言葉だ。市長も副館長も当館が市民と共に育つことを願っている。僕も願っている。が、彼等は運営の実務主体を明確にすべきだと思う。

 「美術展・美術館」という名の文化は、作品の発表、その鑑賞、作家の育成や美術の質の向上等々の「作品」や「作家」や「鑑賞者」という点の問題ではないだろう。企画力・運営力はとても大事なことだ。しかし、関係者の一方通行的な努力だけを意味しないだろう。都会人という個々バラバラな人間集団と美術を通して相互に如何に関わるかだと思っている。100%の賞賛があるかもしれない200%の罵倒があるかもしれない。それが札幌市民のストレス解消に、心の解放のささやかな一つになれれば幸いだ。その為にも具体的な運営主体・構成員の具体名を一日も早く公表すべきだろう。

by sakaidoori | 2011-11-07 23:15 |  500m美術館


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