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栄通記

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2011年 10月 30日

1594) 「第6回 水彩連盟北海道札幌支部展」 時計台 終了・10月24日(月)~10月29日(土)

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○ 第6回 水彩連盟北海道札幌支部展    


 会場:時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2011年10月24日(月)~10月29日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 竹津昇他、16名。
 (DMを拡大して確認してください。)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーー(10.24)

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 さわやかな水彩展だった。さわやかといっても、大きな絵ばかりだし公募展的美学なのだから、自由気ままな雰囲気というのではない。それぞれの主義は異なるが、それでいて突出した極端表現からは遠く、ある種の範囲内の安定感といえばいいのか。「水彩だから」という雰囲気ではない。水彩画のイメージからは遠い。アクリルも使っているかもしれない。水溶性なら何でもありの団体かもしれない。

 沢山の作家達です。お気に入りの作品、気にかけている作家を中心に何点か載せます。


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     ↑:畦原信子、「卓上の景」・80F。

 今展一のお気に入り。
 軽さ明るさ気ままさが良い。そして右下に描かれた絵画的窓が良い。全体の弾んだムードが、なんの変哲もない四角い空間と会話して、生き生きさが倍増している。


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     ↑:小路七穂子、「初夏のよろこび Ⅳ」・60F。

 
 今展一の驚き。
 何が驚いたというと、強い絵だからです。僕は作家の作品を少しは知っている。小品の風景画などは、鋭く才長けた雰囲気がある。最近は俄然大作にいどんていて、主に女性を描いている。が、「女性美」にこだわりすぎて、ちょっと残念な気分だった。大作慣れしていないから仕方がないのだろう。

 今回は良い。色も強い、女性もどっしりしている。絵が大きく見える。
 背景をこれからはどうするのだろう。今回のように、画題を引き立たせるためのムード主義でいくのか?物で埋まっていくのか?一点画題主義で行くのか?構成的側面が加わるのか?今後の楽しみが一つ増えたのは間違いない。


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     ↑:石垣渉、「クローバーの祝福」・80F。

 青色を得意とする画家だが、緑中心の作品だ。発色の強い作風という印象だったが、今回は薄く淡い。つまりイメージの「石垣渉・風」ではない。それに、公募団体に属しているのも気づかなかった。ビシッと決める「小品中心の風景作家」を大きく脱皮したいのだろう。「公募展作家・石垣渉」として注意しよう。

 公募展が「見せる・競う場」と捉えれば、少し迫力不足のようだ。それに、小品でできることを、大きくしたメリットが少ない感じ。その実力からして、物足りなかった。


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     ↑:山平博子、「まどろむ大地」・80F。

 大地を、地面を、石?土の塊?を描いているだけだ。恐ろしく地味な作品なのだが、愛おしい。長(たけ)の低い草、そこのここに大地を見つめる。強くて、フックラとして、大きな存在がある。ただそれを見つめる。
 絵としては暗い部分がアッサリした感じだ。それが、特異な世界を表現しながら、イマイチ目立たないのだろう。


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     ↑:渡邉範子、「不撓(ふとう)」・100F。

 樹を描く人だ。画題はほとんど同じだ。今回、随分と立体的に見えた。ということは今までは平面的だったということだ。遠近感は意図的なのか、技術の進歩なのかはわからない。表情としても美しくなった。
 「不撓=(困難にあって)ひるまないこと」、ガチガチしたひるまない精神から、美しくしなやかな立ち姿、やっぱりここにもさやかな風が吹いていた。


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     ↑:三村克彦、「有機体へ」・100F。

 機械の暗く蠢く世界を描く人。モミモミ画法を駆使して、機械という存在に迫る。今回もいつもと同じ作品なのだが、わずかな描き込みで、がらっと様相を変えてしまった。
 小さな蝶を浮きたたせて描いている。貼り絵のようにくっついて見える。コラージュと思いきや、しっかり描いていた。三岸好太郎風のシュールを求めているのか?リアルで浮いた蝶を描くことによって、「暗い機械たち」への眼差しを転換したいのか?あるいは今後の為の実験なのか?見る側を立ち止まらせるには充分だった。


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     ↑:遠藤直子、「倒木」・100F。



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     ↑:竹津昇、「吊るされた袋・80F。

 今回は既発表の旧作。この画家が一点しか出品しないのに、旧作を見せるというのは少しおかしい。変調をきたした行為だ。絵の場合は変調も時には魅力を増す。美術作品においては、その変調は不思議がることではない。しかし出品の姿勢の変調はおかしい。それで何かとお話をしたのだが、その理由がわかった。確かに忙しさはあるのだが、楽しい予定が控えていて、その為の準備不足のようだ。竹津ファンにとっては寂しい展覧会ではあるが、仕方がない。楽しき後の視点の変調を期待しよう。

by sakaidoori | 2011-10-30 14:50 | たぴお


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