○
2011年 墨人札幌夏期合宿から
山の手小学校に於ける実践風景
樋口雅山房の場合
会場:山の手小学校 +某ホテル
日程:2011年8月4日(木)~8月7日(日)
時間:
主催:墨人会
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.6)
(1588番の①に続く。)
さて、樋口雅山房の書の流れを載せます。お題は「乱」。
どの書家も、書き始めの精神統一の仕方をお持ちだろう。氏はしっかりと沈思端座する。
たっぷりと墨を溜め込み、その重みを楽しみながら、歳とも体力とも対話しながら足を進めている。最後の筆の埋め込みに注意して欲しい。がっぷりと筆を突き刺しねじ込み、黒墨の中に毛跡を刻み込んでいた。
明瞭に他の方とは動きの張りが違う。それは足さばきに現れているが、おそらく呼吸法が違うのだろう。吸って止めて吐いてそのテンポと腕のリズムが宜しい関係にあるのだろう。足腰はそれを支えるのだろう。氏はスポーツ系の人ではないだろう。書が氏をスポーツ人にもした。
白黒のメリハリの明快な字である。乱れない「乱」だ。二人の小坊主というのか、二匹のひよこと言うべきか、上向き加減に遊んでいるようだ。氏の雅さか遊び心か、禅問答にも見えてしまう。「ひよこは書を喰うか?」何と雅山房禅師は応えるのだろう。
合宿最後の夜の研鑽も終わろうとしている。9時も過ぎている。良いものを見させてもらった。