1580) 「岡本和行・写真展 『花蒐集 hana collection』」 ミヤシタ 10月5日（水）～10月23日（日）

○　岡本和行・写真展　

　　　　「花蒐集　hana collection」　　　
　
　　　　　　・・・パラドックス



　会場：ギャラリー ミヤシタ
　　　　中央区南５条西２０丁目１－３８　
　　　　（南北の中小路の、東側にある民家）　　
　　　　電話（０１１）５６２－６９７７

　会期：2011年10月5日（水）～10月23日（日）
　休み：月曜日（休廊日）
　時間：１２：００～１９：００　
　　　　　（最終日は　～１７：００まで）

ーーーーーーーーーーーーーーーーー（10.15）





　　　　　（以上、１階の風景。）















　（以下、敬称は省略させて頂きます。）


　花、花、花・・・花だらけだ。まさしくそれは女だらけだ。そして今回は熟女で攻めてきた。

　岡本和行の花写真、僕はカラー作品しか知らなかった。美しく華麗に優雅に・・・、磨りガラス越しに見る女性のシルエットでもあった。願望としての美化された女、理想の女性達が十重二十重の重なり合う美の涅槃境を表現していた。花に見立てた女のコレクションであり、コレクター岡本和行だ。

　今展、カラーをかなぐり捨てたのが一大特色だ。そして、乙女心な花々を脇に追いやり、女の、熟女の、恥毛の、向こう側の秘部に踏み込んで爛熟の美を楽しんでいる。
　モノトーンは全てを誇張する。黒い襞（ひだ）は人生の重みを見るのには良い。しかし、皺（しわ）をも露わにして美から離れかねない。皺の重なりに、それの増殖に美を留め一人悦になる写真家の姿がここにある。明るい理想美は表看板なのだろう。今展のような闇への美学は隠し味なのだろう。

　それにしても作品数の多さには驚かされる。隙間無く埋め尽くされた花々、女々。極端に埋め尽くされた「花」は二階にも続く。一階が増殖闇夜の美学、二階は幾ばくかうるささをセーブしている。蓮の花を見つめる心境といえばいいのか。中年の美と祈りなのだろう。いずれにせよ、女を見つめる膨大なエネルギーに満ちている。
　間違いなく「花」の向こうに「女」がある。「女」の向こうに「美」がある。その「美」に何を求めているのか。「パラドックス」が氏の謎かけだ。あとは見て楽しもう。


　以下、二階の風景です。