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栄通記

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2011年 06月 01日

1578) 「愉(たの)しき玩具展 (4名参加)」 たぴお 5月30日(月)~6月4日(土)

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○ 愉(たの)しき玩具展     

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
     電話・林(090)7050-3753

 会期:2011年5月30日(月)~6月4日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 佐々木仁美 佐藤一明 林教司 益村信子  三上詩織  

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~    

ーーーーーーーーーーーー(5.30)

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 5名の参加予定でしたが、1人は欠席、1人は賛助出品のような形で、実質は3人展です。予定外の少ない出品で、会場を賑わす展示ではありません。確かにそれは残念なことですが、それなりに面白い。フワーっと良い気分にしてくれます。「玩具」としての夢は、知的な夢も備わっています。中高年の夢、若き夢、男女の夢、玩具という夢、ほんのチョッピリ哀しさを秘めた愉しき玩具展です。


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          ↑:佐々木仁美、「零レ落チル」。(「玉のような音色が落ちる、舞う」の意か。)


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 これは振って鈴の音を愉しむ玩具だ。
 早速作家に振ってもらった。20代中葉と若い。その若さで両手でしっかり持ち、強く振った。まさしく鈴の音が「ガラガラ、シャラシャラ、ジャラジャラ」と小刻みに高鳴った。
 色っぽく揺すってはいけない。耳を作品に添え、かすかな音色を愉しんではいけない。神社の鈴のように、辺りにこだます気分で強く振らないといけない。なぜとならば、佐々木仁美は無我夢中で一所懸命に作ったからだ。針金の絡み具合を見よ。自身の元気さを作品に乗り移らせたからだ。自分を強く振ってもらいたいのだ。他人に握られ振られ揺すられ、玉のような歌声を発したいからだ。
 佐々木仁美はブロンズ作家だ。札幌育ちだが、富山の大学で学んだ。私は彼女の作品を幾つか見た。小さい作品がほとんどだった。その小さきものへ自身の愛情を注いでいた。「何か」を作るのではなく、「自分の分身」を愛情一杯に作るという姿勢だ。かといって、男の耽溺とはちがう。美化につながるお守りのようなものだ。そのことを誰も文句は言えないだろう。所詮作品とはそういうものだ。だが、飴玉をただ見るばかりで面白味に欠けていた。「作品」には「面白さ」という味の素が必要なのだ。やっとそういうものを見せれるようなった。
 会場に行かれて、是非、巨大鈴玉を振って下さい。意外に静かで綺麗な音です。
 6月13日から18日まで、当館で「佐々木仁美・初個展」が開かれます。こちらの方も宜しく。


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          ↑:林教司、「ラプンチェル考」。


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1578) 「愉(たの)しき玩具展 (4名参加)」 たぴお 5月30日(月)~6月4日(土)_f0126829_8363885.jpg 全く驚いてしまった。「鉄の人 エロスの人・林教司」作品なのだ。ファンタスティックに林教司の登場。何を作っても上手い人だ。ただただ脱帽である。

 だが、このメルヘンさは今展だけのものではないだろう。昨秋からの絵画作品は何かを脱ぎ捨てたかのような正直さがあった。今展と同様な稚児的戯れが画面を支配していた。怨念を見ることを止めたわけではないだろう。見続けることに疲れたからではないだろう。新境地と言うべきか、引きずらない「自由」さがあった。今展はタイトルに身を委ねるようにして「愉しき玩具」をつくったのだろう。

 しかし、「愉しさ」にもいろいろあるものだ。
 タイトルの「ラプンチェル考」とは重く哀しい名付けだ。「妊娠」と「性」が覆う愛と哀しみのグリム童話だ。「食(ラプンチェ=ちしゃ=レタス)」と「髪」は重要な味の素だ。
 長き階段は主人公である処女ラプンチェルの長き髪だ。建物は出入り口のない天空の建物だ。娘をレタス(ラプンチェル)の代わりに妊婦から奪い取った魔女は、そこで彼女を育てる。乙女の長い髪を階段にして彼女に会いに行っていたのだ。それを見ていた王子は、夜な夜なその階段を伝わり、逢瀬とまぐわいを果たし身籠もらせた。二人の関係を知った魔女は・・・。
 話は不幸な形で展開する。最後は、母となっていたラプンチェルの涙の滴で、失明していた王子の目を癒やし、目出度く童話は終わる。
 (佐々木仁美・作品が「滴」ならば!男涙て階段をしめらすだろう!)

 やはり作品にはエロス・林教司があった。「哀しき玩具」でもある。









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 (以下、時間が無いので写真だけ載せます。夜になって、簡単なコメントを添えます。
  以下、6月2日午前に記す。)



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          ↑:益村信子


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 青色と円の好きな益村信子さん。
 軽そうな玉を、「ここに置いてみようかな、そこにも置いてみようかな・・・、あらあら、何だか海の真珠貝みたい、泡のよう・・・ブクブクブクブク・・・ふわふわブクブク・・・」、他人の部屋まで押し入っては失礼かな、そんな気分で自分のお庭で静かにブクブクふわふわしています。どうということはないのですが、コンパクトに綺麗に収まった益村信子・海の幸ワールドです。



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          ↑:佐藤一明

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 今回は佐藤一明・顔見せ出品のよう。「ストーブの人・佐藤一明をお忘れなく。そして、ストーブだけではない佐藤一明をどうぞよろしくお願いします」
 聞くところによると、大きな作品の見本(エスキス)のようです。確かにそうです。閉じこめられた蒔、表面の角張った伶俐さが印象的です。完成品を見たいものです。

by sakaidoori | 2011-06-01 09:40 | たぴお


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