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栄通記

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2011年 05月 28日

1573) 「女が表現する 女・4人展・」 たぴお 5月23日(月)~5月26日(土)

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○ 女が表現する 4人展     

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
     電話・林(090)7050-3753

 会期:2011年5月23日(月)~5月26日(土)
 休み:日曜日(定
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 北村穂菜美 工藤エリコ 坪内あい 名畑美由紀

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日18:00~    

ーーーーーーーーーーーー(5.27)

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 4人だけの参加だから、スキッパーを危惧していたが、そうではなかった。テーブルなどの設置工夫もあるのだが、それぞれの作品が女性らしい爽やかな発散型だったからだと思う。画風が異なっていたのも幸いした。決して沢山の出品ではないのだが、間合いはゆとりになっていた。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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          ↑:工藤エリコ (切り絵)。


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 今展の主人公は工藤エリコの切り絵だろう。切り取った作品を額装に入れることなく、壁にピンで浮かせての展示だ。微妙に影が写り、目を楽しませてくれる。
 作家に伺ったところ、こういう構想での予定ではなかったと言う。壁面の空き具合で、急遽決めたそうだ。大きな額装作品も予備での搬入だった。会期中、乙女を取り巻く装飾模様は随分増えたとのことだ。なるほど、発展・増殖する展示で実に素晴らしい。実際、良い展示になったと思う。

 しかし、ここは写真の姿を最終展示風景として、チェックしたい。
 シンメトリーを基本的に好む作家のようだ。そのことは作家の気質だから構わない。構うのは、作風の与える流動感覚が、今回のシンメトリー展示では充分に生かされていないようだ。流動性と、シンメトリーの与える重厚性、かつ今回の方法の増殖性、これら三者がからみ合って、壁面全体に雄大なドラマが生まれたらと、勝手に夢想した。いずれにせよ、作者自体のエネルギーをこの壁に打ち込まねばならないだろう。今回は期せずして、その可能性を垣間見てしまった。ここで止めるか、突き進むか?雄渾なるドラマを持ち得るかいなか、それを具体的にするエネルギーがあるかだ。期待しよう。


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     ↑:名畑美由紀

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 今回も名畑美由紀は面白く見せてくれた。
 僕は名畑美由紀のファンだ。
 中間色や線による抽象画は爽やかでリズミカルだ。若さ自由さが良い。
 それは作品の質のことだが、それ意外に特筆すべき魅了がある。どうでも良さそうな出来映えの作品を、無造作にスポーンと発表として見せるのだ。その無防備というか、無神経というか、無手勝流というか、ざっくばらんな精神がすこぶる宜しい。それは主婦のもったいない精神のようで、「作ったんだもの、見せちゃおう」という感じだ。「良い悪いなんて、どうでもいいわよ見て見て、見たくなければ見なくともいいわ」という態度だ。僕は発表者としての、その精神を高く評価している。見せる人はかくあるべしと思っている。

 今展もそういう要素が強い。だから決して上手い作品ではない。それでも見せたい理由が今作にはありそうだ。しばらく、当館に彼女は出品していなかった。だから、心機一転、再出発という思いからだ。それには「女展」とはうってつけだ。「画き慣れない女を画こう、自分も画いてみよう」ということだろう。名畑美由紀の潔い態度を大いに楽しむことができた。


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          ↑:坪内あい

 「夢見る乙女、襲いかかる目ン玉」だ。
 「目ン玉」は意外に怖くない。女性の夢見心地の水玉心が何故に目ン玉になったか?絵だからだ。夢が増殖して、目ン玉として自動運動を起こしそう。何より黄色が迫力満点だ。黄色の中に星の王子様がいるのかもしれない。水底に眠る美女と、黄色で泡立つ王子様、目ン玉は娘を安全にどこまでもどこまでも誘うのだろう。
 坪内あいのシュールな愛と冒険物語が始まりそう。ところが、彼女自身は「普通の風景を描く人です」、と自分のことを語っていた。新道展に出品しますとも。
 何はともあれ、円の好きな人だ。


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          ↑:北村穂菜美


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 よくコンパクトにしっかりと色と線描を入れ込んだものだ。絡ませたものだ。色合いと言い、空間の埋め方といい、このバランス感覚は素晴らしい。
 「女の子の垣間見る人間社会の不安や覚束無さ」を表現している。その女の子達を「ほなみチャン」と言いたくなる。不安を描きたいから、大きな絵にしたいのだろう。一杯描かないと、より一層不安になりそうだから。そう思わせる北村穂菜美の追跡力だ。画面一杯に揺るぎがない。確かに漫画ティックだが、見る目を引き込ませる力がある。なめるような丸い線描を得意とする人でもある。この辺にも彼女の魅力がありそうだ。

by sakaidoori | 2011-05-28 22:37 | たぴお


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