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栄通記

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2011年 05月 26日

1568)「一線美術会北海道支部展(絵画)・第29回 2011」 市民ギャラリー  5月18日(水)~5月22日(日)

  
○ 第29回 一線美術会北海道支部展(絵画) 


 会場:札幌市民ギャラリー 
      中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2011年5月18日(水)~5月22日(日)
 時間:10:00~18:00?
   (最終日は~?:00まで。) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.20)

 参加作家の川上直樹さんと、竹津昇さんは日頃から親しく見ています。その方々を中心にした文章です。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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     ↑:竹津昇。左から 「レンガ倉庫(夜)」・100F、「大地の容(かたち)」・50F、「光陰」・100F、同、「つるされた袋」・80F.

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 竹津昇はサイロの内部や納屋の様子を克明に画く。
 5点もの出品は氏だけであり、力の入れ具合を思う。しかし、出品数の多さに反して何やら迷い気味のものを感じた。迷っているかどうかは分からないが、ちょっと退き気味に何かを確認しているのは間違いない。全力投球の作品群とは思えない。
 納屋内部の床や壁や細部だけを画くことによって、空などの背景を画く風景画の約束から自由になった。だが、内部のみを見る視点に、不満感とか物足りなさが生じたのかもしれない。上の5点には、見た目の違い以上に、親和性の少ない作品群だ。
 「光陰」は2点一組と考えて良いだろう。今展の主役だろう。光がテーマで、氏の日頃のモチーフの一つだ。いつもとは視点をかえた床や壁に見える。すくなくとも、床板は初めて見る。板が画きたかったのか、普段画いている筆致や筆触を止めたかったのか?光がテーマだが、中心のない取り留めの無さを思う。イスの絵は、イスという中心があるのだが、ゴッホばりのイスが連想されて、竹津風の中心感とは微妙にずれる。
 巨大蛇口に見える絵も不思議だ。その形が面白くて描きたかったのか、なんでもいいから大きく画きたかったのか?
 表現主義風の建物、昨年の回顧展の時に見た作品に似ている。ニューバージョン?心機一転気分の情念爆発型の絵を画きたかった、見たかったということか?

 個人的に一番好きな絵は一番右の吊された袋の絵だ。袋の浮遊感と、袋を縛る紐の線に寂しさや軽い緊張感を感じてジーンとする。

 多くのグループ展に参加している画家である。いろいろと試しているのだろう。



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     ↑:川上直樹、右から 「静影」・100F、「跡地 ー夕張追想」・100F、?。


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 「静影」はいつもの画題であり構成だ。骨格が大きくなって、和らいだ感じだ。

 「跡地」、初めて見る趣向だ。後ろ向きの都会風美女も描き入れてカッコ良い。面と線が重なり合って、時間を入れ子状にしたいのだろう。中央なのに四角面をボカシ気味に画いて大胆だ。ボカシの向こうのエレガントな女性、追憶とロマンがあり、建築群の縦線はほんの少しの緊張感も強いている。
 かつて、氏の作品にユーモアを感じた大作があった。思った通りに書いたら、「ユーモア」という指摘に画家は不満だった。確かにこういう絵を見ていると、「緊張感」や「精神性」を追求していて、「ユーモア」を画きたいとは思っていないようだ。だが、氏の絵からにじみ出る「ユーモア的優しさ」は捨てがたいものがあった。そのことを意図しようとしまいと、一つの個性だった。今回の「追跡」はコラージュなども取り入れた実験作だろう。どうい形で個性的になるか楽しみに待とう。


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          ↑:田仲茂基、「月夜「・F50。

 画かれた羊が、どこから見ても胴体半分だけの切り落とされ姿なので困ってしまった。羊が絵からはみ出していて、残りの半分が壁に隠れているようだ。しかも時は夕刻、寝静まって妖精どもが踊り始める時間だ。それは画家の意図なのか、たまたまなのか?


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          ↑:石山宗晏、左から 、「アカシア咲く」・?。「初雪の朝」・100F。

 堅実な叙情性。「アカシア咲く」が特にお気に入り。



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by sakaidoori | 2011-05-26 16:39 | 市民ギャラリー


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