1558) 「額田春加・個展 ー凝視ー」 さいとう 5月17日（火）～5月22日（日）

○　額田春加・個展　

　　　　ー凝視ー　　　　　


　会場：さいとうギャラリー Ｂ室
　　　　　中央区南１条西３丁目１
　　　　　　ラ・ガレリア５階
　　　　　　（北東角地。
　　　　　　１階が日産のショールーム。）
　　　　　電話（０１１）２２２－３６９８

　会期：2011年5月17日（火）～5月22日（日）
　時間：１０：３０～１８：３０
　　　　　（最終日は、～１７：００まで）

ーーーーーーーーーーーーーーー（5.20）

　（以下、敬称は省略させて頂きます。）











　・　女子高生返りした額田春加、

　粘っこく、強く、大胆に・・・それが最近の額田春加だった。
　今展どうしたことか！筆勢は同じだが、画題は大いに春だった。「う～ん、私、お花大好き、チューリップだ～い好き、クローバーも。私の大好きなお花ちゃん、抱きしめて～。恋するってピンク色かしら、私を愛して～」、そんな乙女心満開の個展だった。


　　　　　　　　　　↑：「pink pressure」








　ピンクが大きな顔をして目の前にあった。独特の盛り上がりを背景に、ザラザラ桃色が濃淡を絡ませて漫遊している。
　版画家の鳴海君とたわいのないピンク論争をしたことがある。「男にとってピンクとは？男はピンクを中心にして作品を立ち上げきれるか？」、そんな主旨だ。以来鳴海君はピンク教に宗主替えをしたというのが顛末で、最近の作品には花に薄いピンクをしっかりと絡ませている。

　しかし、額田春加は、そんなに力（りき）んでピンクにしたのではないだろう。「画きたかった、出ちゃった、画いちゃった。だって、春だもの」、実にあっけらかんとした大胆さだ。だから色気はない。僕と鳴海君とのピンク談義の要諦は、「色気・エロス」にあったわけで、額田ピンクは色気なき誘惑だ。青息だが吐息・ため息でないところが絵の若さだ。

　如何に画くかに、「粘り、大胆、頑丈」を持ってチャレンジしていた。本人の言葉を借りれば「旅」をしていた。一つの旅を終えたのだろう。今展、何を画くかで気持ちの憂さを晴らし、今後のリ・スタートをするのだろう。
　見る人を喜ばせる素晴らしき中間報告展であった。

　明日の日曜日までです。是非足を運ばれて、可愛き女郎蜘蛛を堪能して下さい。


　　　　　　　　　　↑：「喧噪」。

　物と物とが重ならない世界。粘力ある壁に仕切られ、互いの関係性を絵の中で確認しているようだ。それは額田風構築の美学ではあるのだが、「存在と関係性」の追求は続くのだろう。


　　　　　　　　　　↑：「チューリップマン」。

　額田春加には「紫」がよく似合う。紫にはまだるっこい深さがある。いつの日にか紫舞降る、強い幽玄模様を見せてくれるだろう。
　今は児童画的絵画に可能性を求めているのだろう。児童画に紫、あまり似合いそうにない。


　　　　　　　　　　↑：「さつき公園からの風景」。


　　　　　↑：左から　「クローバー」、「その断定を嘲笑する」。