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栄通記

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2011年 05月 05日

1532) ②「学生合同写真展 EX 9th」・市民ギャラリー 終了3月23日(水)~3月27日(日)

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○ 学生合同写真展 EX 9th 
    

  
 会場:札幌市民ギャラリー 展示ホール1,2 予備展示室
      中央区南2条東6丁目
       (北西角地)
      電話(011)271-5471

 会期:2011年3月23日(水)~3月27日(日)

ーーーーーーーーーーーーーー(3.27)

 (1531番①の続き。)

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 少し古い展覧会だったので簡単に終わらせるつもりだった。記録写真を見ていると楽しくなって、ついつい②になってしまった。もう少しお付き合いをお願いします。

 総体的に言えるのは、作品が小さい。展示の都合上止む終えないのかもしれないが、もう二回り大きいのを見たい。こうして記録写真をパソコンで見ている分には、その小ささが気にならないが、展覧会場という生きた場では主張が小さい。僕は写真の技術的なことはわからない。だから、技術云々は書かない。主義主張を持て、など言わない。主義主張のない写真はないのだから。書くのは、「大きく多く出品を」というだけです。よろしく。


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          ↑:札幌国際大学3年生(S)、「Balanco 童心に返り」。

 首吊り人間のぶら下がる足に見えた。ビックリした。空中で所在なげに放り出されている足、足の静かな浮遊感に不気味さがあった。
 首吊りを想定した写真など、学生が出すはずはない。我に返って改めて作品を見る。足の背景は空だ。逆立ちをした時の足先だったのか。空中で微妙にバランスをとっている力ない足なのだ。それでは撮影者の位置は?撮影者は自分の逆立ちする足を写せない。誰かの逆立ちを、はいつくばって撮っているの?たいした根性だ。でも・・・。
 タイトルを読む。「ブランコ」、そうか、ブランコに揺れる撮影者自身の足なのだ。彼にとっては「童心返りの足」だった。僕には「切り離された宙ぶらりんさ、あてどない子供の足」に見えた。


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          ↑:北海道工業大学3年生(S)。

 展示のアイデアが微笑ましい。しかも大きな矢印付きだ。丸柱が撮影者の優しさとマッチしている。
 顔の前にはガラスか何かがあるのだろう。雪玉は被写体に当たってはいない。ぶっつけられても優しく人が居る。それがメインテーマだろう。


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          ↑:北海学園大学Ⅰ部1年生(K)。

 これは余りに普通だ。友達?恋人?撮影者好みの女の子?にモデルを頼んじゃった。その娘の可愛さあどけなさ突っ張り姿を撮っちゃった。
 なんの工夫も悩みもなくて素直な感じ。でもこのストレートな素直さが何事に置いても出発だと思う。写真を撮るから「モデル」が生まれる。撮られる人も撮る人も普通でなくなる。
 撮影者はやっぱり男だった。男子の門出のロマンだ。


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          ↑:北海学園大学Ⅰ部2年生、「これからのこと」 「揺らぎ」 「reflesh」。

 センチメンタルな物語。センチメンタルだが将来に対する不安や期待だ。年頃の正直な心象ストーリー。


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          ↑:北海学園大学2年生(M)、「雲」 「先が見えない」。

 「将来」への漠とした不安と「今」。その心を雲に託し、足跡に託す。前回の撮影者と同じ気分かもしれない。こちらは男性の視点。

 いつの時代も青年は不安を持つものだろう。
 確かに僕にもあった。だが、職業上の心配はしたことがない。職安に行けば間違いなく仕事はあった。もちろん、単純労務者だが、専門技術を何一つ持ってはいないのだからそれで充分だった。仕事は人並みに一所懸命に励んだが、それはあくまでも生きる方便でしかなかった。午後5時の合図で開放された。仕事が終われば職場は「ハイ、さようなら」だ。それで一日一日が過ぎていった。
 今は肝心の働く場の確保がままならないようだ。そういう意味では今の青年は可哀相な気がする。これだけ豊かになったというのに。そして青年男女諸君は僕の時代よりも優しい人が多い。それはとても良いことだ。「優しき世代」よ!漠たる不安の中で生きるしかない。


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     ↑:(北海学園大学Ⅱ部2年生・Gさん? メモが不備ではっきりしません。すいません。)

 線などがゴワゴワっとしていて、丸く膨らんだりして、その辺の空気なり存在に変調をきたすようなムードだ。このゴワゴワ感と強いボリューム感が目を惹く。



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          ↑:北海学園大学Ⅱ部・江波戸剛、「ひかり」。

 小さな作品だがなかなか魅入らせる。「ひかり」がやさしくホンワカと包んでいる。緑と空気が季節感と撮影者の気分と人間関係を心地良くくるむ。見る方もくるまれる。小さい作品だから成功したのか?撮影者の力量だからか?他の学生とは一線を画した写真目であり感覚だ。


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          ↑:北海学園大学Ⅱ部4年・千野佳那子

 句読点無しの長い文章がポエムとして綴られている。アイヌメノコを思わせる下絵の上に書かれている。四角い紙の上の字体は浪漫風だ。
 四角を意識した展示だ。書かれた文、被写体も大事なのだろうが、それらを突き抜けた強い幻覚を醸し出したそう。まだ被写体に忠実な真面目さがあるが、卒業したらどうなんるのか?妖艶なる幻覚や幻想に進むかもしれない。凛々しく強く被写体の隙間で言葉と供に遊ぶかもしれない。
 写真を続けて欲しいものだ。絵を画くことも。



 展示会場は2階のロビー。天井も低く、パネル通路展のようになって可哀相だが、賑々しさしがあり、その賑々しさは親密さにもなり悪くはない。
 そのロビーだけでは収まりきれず、2階の予備室も会場だった。まさしく予備室、会議室といったムードだ。
 以下、その部屋の様子です。
 


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by sakaidoori | 2011-05-05 13:16 | 市民ギャラリー


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