栄通記

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2011年 02月 23日

1473) 「『MITORAMA』 水戸麻記子・絵画展」・さいとう  2月22日(火)~2月27日(日)

○ MITORAMA

    水戸麻記子・絵画展
  


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2011年2月22日(火)~2月27日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(2.22)

 大作は、ただ今構図を勉強中という感じで、画題の面白さのわりには迫力不足だ。
 小品は、ビシッと描きたい物を見定めて、しっかり強く輝いている。新規開眼の色爛漫ミトラマだ。
 中品・50号の「坂ビスケット氏」作品、今展の華だ。


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 犬の連作とハムスター肖像画です。


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 (クリックしたら大きくなります。)

 犬をしっかり描いている。ミトラマ風の剽軽さや冗談はなく、いつになくベタッとした色感で、こういうミトラマもあったんだなと驚く。
 ゲゲゲの鬼太郎ムードが無いだけ、かえって画家自身の素顔が出ている。
 一番右側の犬。凛々しく立った自画像だ。
 その隣の黒い犬。水戸作品に時々出てくる物怖じした不安げな顔、何かを心細く求める顔だ。
 一番左。写実・犬ばかりでは面白くないと思ったのか、ミトラマ・犬のお披露目だ。背景色、いつになく華やかで絵画らしい。他の犬以外の小品もそうなのだが悩み無し、たるんだところが感じられないのが良い。自信を持って描いている。

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     ↑:「ハムスター系譜」。


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     ↑:左側 「うなぎ 2001~2003」。右側 「チャイ 1998~2000」。

 この肖像画シリーズは、ミトラマ・ワールドの新しいバージョンだ。ミトラマ絵画にピッタリだ。描きたい物をバッチリ堂々と中央に収める。何の無理もない。服装、表情といかようにでも遊べる。今回のハムスターもいいが、生きた人間肖像画がも良さそうだ。札幌三十六画人伝とか、道内スーパー・ヒーロー物語とか。
 それにしてもきっちり、すっきりした色具合、犬シリーズ同様迷いを感じない。


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          ↑:「ピラニアとかぼちゃ」。

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          ↑:「じっと手を見る」。

 他の小品も堂々としている。
 「ピラニアとかぼちゃ」はその組み合わせの妙を描いたのだろう。そんなことより、「ピラニア」の描き具合が素晴らしい。色に人を食い殺す迫力がある。歯を尖らせ輝かせ、憎めないスタイルだ。

 「じっと手を見る」、タイトルが良い。色つやが良い。重厚なユーモアだ。傑作だ。


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          ↑:「レトロスペース坂会館館長 坂一敬氏の肖像」・50号。


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          ↑:「未だ荒野は燃えているか」。


 とにかく今展は色が華やかだ。その代表作が上段の肖像画だろう。
 ミトラマ絵画は多くのユーモラスを画題として取り上げる。が、ユーモラスさがシュールなもう一つの世界を展開するには今一歩と思っている。その理由は描きたいことを中央にドーンと構えて、他の賑々しい登場人物は脇役的存在で終わりがちだからだ。中央のメイン画題との駆け引きの薄さにあると思う。細々した冗談は絵全体の枠内でのユーモラスであって、絵を壊しかねない自動運動さに乏しい。
 上の絵は「肖像」という目的が定まっていて、それに全てが奉仕している。中央に描きたい人を据えて、絵画全体の安定感が始めからあるからだろう。自由に肖像人物を言祝ぐようにいろんな物を描き加えている。今作は色も今までになく踏み込んで華やいでいる。
 一点中心主義の構図、その華やいだ秀作だと思う。


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     ↑:左側 「燃え」、右側 「ごめんあそばせ」。


 さて、困ったことに100号の大作の余りに静かなことだ。

 中央にメインテーマを置く。ところが廻りに華やいだ添え物を置こうとはしていない。あからさまな線の世界を背景にしている。「そこに構図ありき」という絵だ。絵は構図を骨格に持つものだろう。だが、骨格をあからさまに見せられては面白くない。美顔を語るに、シャレコウベという骨を語られては面白くない。美肌の幽艶なる様を、皮膚学で語られても面白くない。

 水戸麻記子は「構図」に悩んでいるのだろう。一点中心主義の絵画を越えたいのだろう。
 彼女のユーモラスさをシュールと解したならば、デ・キリコやダリのシュールへの親しみがあるのかもしれない。シュール絵画の線の勉強があるのかもしれない。だが、彼等の絵は複合的視点でなりたっている。それらを繋ぐ妖しげで明快な意志の直線であった。だからその線は線として楽しめる。
 僕には上掲の大作が下絵に思える。さて、これから何が加わるのか?画家の悩みと課題は尽きないものだ。


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          ↑:「赤い唐辛子」。

 僕は実験的失敗作だと思っている。何かを「かましたい」作品だ。
 花嫁と石膏像とシャレコウベ、それを白で清楚に包む。全くミトラマらしくない。もしここで美人の裸婦が対比的に描かれていれば西田陽二氏の作品になりそうだ。ところが、美人ならぬ「踊るふざけ女」をギャグのようにして描いている。
 何を遊んでいるのだろう?イマイチ見えないのが意欲の空回りした失敗の所以だ。見事に散った失敗桜吹雪のよう。それもミトラマらしい。

 

by sakaidoori | 2011-02-23 23:23 | さいとう


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