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栄通記

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2011年 02月 15日

1464)「第101回 北海高校美術部どんぐり会・展」・セントラル 終了2月8日(火)~2月13日(日)

○ 第101回   北海高校美術部どんぐり会・展   


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
     電話(011)231-1131
     中央区南1条西3丁目
      (東西に走る道路の南側)

 会期:2011年2月8日(火)~2月13日(日)
 時間:10::00~18:00
     (最終日は、~16:00まで)

 【参加学生】
 3年  山本朱音 増淵圭 北山夏帆 門田結衣 佐藤拓実 金澤凌 菅野航平 渡辺あかね  
 2年  三野宮定理 鳥居茉弥 簾澤萌花 佐々木智香 穴吹舞織  
 1年  中北朋花 大澤星奈 山崎晃平
 
 賛助出品: 卒業生・櫂展 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(1.10)

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 厚塗り、大胆、元気の良さでは抜群の北海高校美術部です。


・ そんな中で薄気味悪い作品から載せていきます


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     ↑:3年・門田結衣、左から 「やわらかい私たち」・30号、「100人の友達」・S110号。


 自画像?「私たち」、「友達」、群衆の中にいる自分の位置を確認しているみたい。
 右側の大作、大胆に左右にまっぷたつに分割した姿勢が好きだ。あたかも2枚の作品をくっつけたみたい。左右とも背景が一色で、モノトーンで白黒逆転の映像を見ているみたい。微視的な心の綾に拘り、粘着的な表情と重なって、不気味さ倍増だ。明るさ、ヒューマン、フレンドリーから遠いのが良い。



・ 見た目に分かりにくい作品


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          ↑:1年・山崎晃平、「蟷螂」(カマキリ)・180×90㎝。

 確かにカマキリと何とはなしにわかるのだが、その分かりにくさが良い。つまり、カマキリの標本的描写でなくて、骨ぼったい姿が絵画の骨格という魅力にすりかわったところが良い。色も緑でなく、赤だ。カマキリという画題からカマキリを越えた絵だ。


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     ↑:3年・金澤凌、左から 「ミステリーアンサー」・変110号、「スプリットマウス1979」・S50号、「ラストキメラ」・変110号。

 ディス・イズ・絵画だ。500号ぐらいのを見たい。金澤陵の怪獣擬態画だ。さて、その大きさに堪えるイメージ持てるか?描けば描くほど生まれてくるだろう。頼もしい絵だ。


・ 会場でお話した学生作品から


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     ↑:1年・中北朋花、左から 「夏夢」・S110号、「mind of All」・50号。


 大作、1年というのにたいしたものだ。サイズに負けないで大きく描いている。根性の座った絵だ人と金魚が重なって、後ろの金魚には少し詫びをいれないといけないかもしれない。その分、着物姿の女性の魅力も少し損したみたい。一方で、重ねることによって見えない存在までも大きく見せたかったのだろう。いずれにせよ大きな絵画心だ。


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          ↑:1年・大澤星奈、「自画像」・30号。

 昨年の10月に入部、そして初めての作品。
 名前に「星」がある。きっと自分の名前にあずかって宇宙を描いたのだろう。宇宙の中、星に囲まれて自分はいる。自分も星だ。
 左右の目の色の違い、気になるところです。地球と他の星(火星?)を表現しました、と語った。セールス・ポイントだろう。顔の硬さは意図的なのかな?輝いている絵だ。


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     ↑:2年・佐々木智香、左から 「霊魂不滅」・S30号 「遺恨」・S110号。

 「骨と暗闇を描きたい。これからも描きます」と学生は強く言った。少なくとも、北海高校時代の変わらぬテーマだ。実に素晴らしい。目的が明確で、しかもその目標が骨と闇なのだ。もちろん、そこには顧問の川本ヤスヒロ先生の影響もあろう。影響は探求のキッカケなのだから、良い影響だ。

 ところで今作、僕には綺麗で可愛いすぎるように思えた。魂の綺麗さを表現したいのかな?キタナサ不足を感じていたようだ。話をして面白かったのは、一端今作のように綺麗に仕上げて、それからキタナサを描き込むという考え方だ。すると、やっぱり彼女の骨には綺麗さが根っ子にあって、リアリティーを増す為にキタナサなりを加えていくのだろう。そういう絵は、骨に部的なキタナサというリアリティーが加わっても、全体の醸し出す方向は綺麗さ、美しさだろう。きっと闇もドロドロ感よりも明鏡のような面持ちを残すのだろう。


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     ↑:2年・穴吹舞織、左から 「深秘」・50号、「カムフラージュ」・S110号。


 ひとが好きなのだろう。大作の人物表現、もっともっと北海高校魂で、黄色い肌に美しき壁紙のようにして描き込んでいけば良かったのに。背景に頑張って、人物に遠慮が入った。もったいない。何かをカムフラージュしたいという気持ちが描かない選択になったのだろう。妖艶の肉体に隠された闇の世界、大人とは違った高校生の味だ。


・ 以下、適当に紹介します。


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          ↑:2年・北山夏帆、「17歳」。

 恋するスポーツ青年なのだろう。


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          ↑:3年・増淵圭、「せくらべ」・F100号。

 綺麗なタイトルです。


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     ↑:3年・佐藤拓実、左から 「耽溺」・版画 36×39㎝、「諧謔」・36×30㎝、「渇望」・36×30㎝、「醜美」・36×30㎝。

 飢えと乾きを感じる2文字タイトル・シリーズ。描写力と遊びの感覚の高い人だ。大人びているところが面白味に欠けるが、それは作品の魅力とは無関係だろう。



 無手勝流の面白い絵が続くのだが、今年はこれくらいで止めましょう。
 今年の3年生部員の数はとても多い。大量に卒業だ。現役生!しっかりと、その数を埋めて下さい。


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by sakaidoori | 2011-02-15 21:24 | 大丸藤井スカイホール


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