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栄通記

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2011年 02月 12日

1459) 「第6回かのかの会写真展 『燦』」・コンチネンタル 2月8日(火)~2月13日(日)

○ 第6回 かのかの会写真展 

      「
 

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
     南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
     (西11丁目通の西側)
     電話(011)221-0488

 会期:2011年2月8日(火)~2月13日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~16:00まで)

 【参加作家】
 飯島亮 イマイ タカヒロ 加藤彰 児玉龍人 児玉ひとみ 星秀夫 山岸せいじ 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(2.11)

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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 主に関東以北のカメラマンによる写真展。
 10数年前に、広島国体で巡り会ったカメラマンたちが、職業を離れて写真を見せ合うということで結成されたグループ。酒呑みの仲間たちだから、焼酎「かのか」にちなんで「かのかの会」とのことだ。第一回の展示会場は札幌、それからグルリ廻って第6回は再度札幌だ。会名の原点に返ったからだろうか、焼酎「燦」にちなんだかどうか、タイトルは「燦」だ。

 「燦」といえば、さんさんと降り注ぐ太陽、きらめく水面をイメージにしがちになる。だからかどうか、展覧会はネイチャー色の強いものになった。更に具合の良くないのは、本州の雪景色の作品もあって悪くはないのだが、今の北海道では余りにも普通の景色なので意外性に欠けた感じは否めない。人間の好きな僕としては、柔肌の輝く「燦」とか、燃えるような情念の「燦」を見れなかったのが寂しいところだった。

 そんな中で一人写真離れしていたのが山岸せいじだ。


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     ↑:山岸せいじ、「hitobito 8~12」。

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 山岸ファンならずとも、絵好きには是非見てもらいたい作品だ。写真が素材だ。それをパソコンでコラージュしたり色を加えたりと加工している。出来上がったものは完全に絵画だ。ピンクやブルーは薄く淡く色を何層にも押し込んだ感じだ。白黒も明暗表現というより、色の白黒だ。余りにも爽やかで美しい。そして魅入っていると切なくなる。
 原因ははっきりしている。シルエットの人物群は街を気ぜわしく歩いている「影」だからだ。確かに男女の判別は容易だ。実際、女性のふくらはぎと画面の爽やかな組み合わせは、スカートをたなびかせて颯爽と街を闊歩しているみたいだ。しかし、それは見始めの頃だけだ。山岸せいじの詩情に心地良くだまされたのだ。
 作品の人々は、淡く性差を残しながらも、固有名詞・姓名を置き去りにした「人々A,B,C・・・」だ。その無名性をボカシと淡い色で包むことによってなんとか有名性を呼び覚まそうとしている。だが、それも無駄な努力かもしれない。せいぜい山岸せいじの詩情の流れの中で、色と影として記憶に留まるのが精一杯だ。
 美しく切ない都会の雑踏、お勧めの作品です。


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          ↑:加藤彰、「ひょうかい」。

 雄大な作品だ。瞬間的に宇宙と思った。次に海岸の波打ち際だと思った。タイトルを読むと、「ひょう=氷」とイメージされて、何か変な感じだ。海岸際の「氷」となれば流氷だが、海原に氷のない流氷などありえない。どこぞの川に関した風景かしら。それにしても雄大なカメラアングルだ。おそらく見る人を煙に巻くための視点だろう。そして「氷」が作家の悦になっているところだろう。遠くに街の明かりが見える。
 ・・・。
 作家が会場に居られたので、作品の打ち明け話を披露してくれた。福島県の、とある河口とのことだ。作品の氷は、その川が運んだ氷だ。氷の塊、波打ち際の泡模様、深い青色に街の灯り・・・大きな作品に秘めた華を添えている。
 作品を切ったり、真ん中中央の後ろにはモニターを備え付けて、時折色が作品を襲ったりと、ざっくばらんな仕掛けの好きな撮影者だ。おおらかな人のようだが、タイトルに根性が入っていなかった。「ひょうかい」、平仮名による音の響きは何とも力がない。「あっ、そうかい、ひょうかい」と駄洒落がでてきそう。作品の力強さとは無縁な音の響きだ。余り効果的とは思えなかった。


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     ↑:児玉龍人、「共和ヨット少年団の ある一日」。

 ネイチャー+αの作品なのだが、他の作家の作品との絡みでαの部分の主張が薄くなった感じ。人による自然賛歌の側面が強くなって、人々相互の喧噪さが弱まったみたい。


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     ↑:イマイ タカヒロ

 添え文に「うたかた」という言葉がある。「輝く燦」でなく、「うたかたな燦」を目指したようだ。作品は意図的に色を落として、画題をじっくりゆっくり見せようとしている。うたかたな気分を漂わさせて、「記憶」は「思い出」という輝きに変わるのだろう。


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     ↑:飯島亮、「冬沼景」。



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     ↑:児玉ひとみ、「白川郷 ~晩秋 日々の営みと合掌造り」

 白川郷、行かねばならない。


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     ↑:星秀夫


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 柿です。沢山の柿です。渋柿?どうしてもがれないのだろう?柿畑、是非見にいきたいものだ
 

by sakaidoori | 2011-02-12 13:32 | コンチネンタル


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