2011年 02月 09日
○ TETUSHI TOMITA ART EXHBITION (冨田哲司・展) BARB 会場:サロン・コジカ 中央区北3条東2丁目中西ビル1F (東西に走る南側。) 電話(011)522-7660 会期:2011年2月5日(土)~2月13日(日) 休み:月・火曜日(定休日) 時間:平日 → 18:00~22:00 土日祝 → 14:00~21:00 (最終日は、~19:00まで) ーーーーーーーーーーーーーーー(2.6) (以下、敬称は省略させて頂きます。) 入場するなり、いきなり1枚のチラシを渡された。 会場空間を楽しむ前に文章を読むのは僕の趣味ではない。まずは会場をうろつく。それから作家の横でチラシを読む。作品コンセプトを6個の概念で語っている。・・・読もうとするのだが頭が付いていかない。読みにくい文章ということもあるが、それよりも展示ムードと文章ムードがあまりにかけ離れている。展示は白く軽く明るくという美学、文章は戦争に絡ませた言い切りで重く堅く政治綱領みたいだ。両者の接点が見えない。共通点は展示も文章も未整理、未消化なことだ。 「現代美術」の大きな特徴は、まずは作家ありきという個人主義だ、利己主義だ。作家個人の感覚主張が万能なことだ。ある作家にとっては「美しさ」は価値尺度ではない。同様に、文章も重要な要素になる。イメージ優先という価値尺度もない。言語による説明過多という鎧も被ったりする。そういう現象があるから、詳細な展示解説の付いた展覧会に対して、どう接するかという面倒な事態も生まれる。 良い機会だから、作家と文章の言わんとする事、展示と文章の関係を大いに語り合った。 作家の表現したい内容を批判なり否定する気はない。何が言いたいのかを確認する作業だ。 分かったことは、言いたいことが文章として上手く表現されてはいなかった。もっと分かりやすい文章をとお願いした。 簡単にその結論を僕の言葉で要約しよう。「戦争を知らない世代が戦争を考える。反戦が目的ではない。もちろん好戦は視野にはない。戦争を考える手段として、チラシの6個の問題提起だ」 ①鉄条網という「針」。 ②目に見えぬ戦争としての「暗号」。それは言葉への考察でもある。 ③「壁」を戦争を考える道具にしてみた。(これは作家の着眼で面白い。) ④Olive Drabは第一次大戦の米陸軍の兵器色。(くすんだ)茶色。そこから「虚」という概念を選び取った。(drabには売春婦という意味もある。そちらを取り込む勢いが欲しかった。軍隊と性ほど面白い課題はない。) ⑤「迷彩」服。 ⑥「雪」。(ほとんどこじつけ的な取り込みだ。だから言葉で説明すると意味不明の自体になる。だが、展示としては雪の利用は綺麗だった。) 以上の要素を繰り込んだ展示素材だ。 最初に話を戻そう。 はっきり言ってチラシは作品と鑑賞者の距離を遠ざけた。作家の高尚さは理解できるが、作家が高尚になればなるほど作家も展示も見る側から遠のく。その辺の自覚不足だを再度指摘しておこう。 自覚不足の小さな傲慢さ、未消化寄せ集め主義の初々しさが本展の魅力だ。 さー、次は「戦争」とどう取り組むのだろう。正攻法の四角四面的生真面目さで攻めるのか?ヒット・エンド・ランのフット・ワークの良さで攻めるのか?逃げ道確保の安全路線で行くのか? いずれにせよ、今後の発表経験が自覚と自己認識を高めるのだろう。その時に再び会話すれば、その自信みなぎる応対に僕はトンズラするかもしれない。そうさせないといけない。 窓越しの雪壁映像は綺麗だった。
by sakaidoori
| 2011-02-09 20:56
| (コジカ)
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||