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栄通記

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2011年 02月 09日

1454)②「道教育大学実験芸術専攻生有志卒業制作展 居間(中村絵美)」資料館 終了1月25日(火)~1月30日(日)

○ 北海道教育大学・実験芸術専攻生有志卒業制作展

    居間(いま) ーLving roomー
   


◎ 札幌展

   会場:札幌市資料館 2階
    中央区大通西13丁目 

ーーーーーーー(1.29)

 (1447①の続き。)

 前回は4人全体の印象を書いた。
 A室の中村理紗さんから順番に書いていきます。たぶん、飛び飛びの記述になるでしょう。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

◎ 居間 A  中村絵美   

    1988年 長万部出身
           道立長万部高校卒

 「開拓すれど、し尽くすことができず、眼前に立ちはだかるどうしようもなく美しい自然に圧倒させられながら、”今”を生きる。・・・。
 心が心である限り、私たちはそれぞれの物語を背負うことができるのです」(会場配布用チラシから抜粋。)

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     ↑:素材:ドローイング 詩 鹿皮 鯨の骨 など


 失礼だが間延びした空間だと思う。

 展示された一つ一つはかけがえのない大事なものだろう。大事なものとして存在し、それぞれが語り合い、何かの物語が始まり、見る人と共に共感したいのだろう。
 この部屋は「居間」なのだ。まさに総合タイトルそのままだ。
 真ん中に目に見えない倚子とテーブルがあり、そこで誰かがくつろぎ会話をしている。誰かとは、鑑賞者や作家かもしれない。作家が主張したい北海道の開拓に尽くした人達かもしれない。開拓以前から、そして今もここに住んでいるアイヌや獣達かもしれない。
 チラシの言葉といい、展示された「詩」といい、詩人のような作家だ。その詩心が会場を余韻たなびくものにしたかったのだろう。一方で、言葉なんていらない、”愛”があれば、空間という愛があれば・・・そういう人かもしれない。

 愛し合う二人の約束事ならいざ知らず、その年齢で余韻の美学を提示するのは無理だ。表現したい言葉だけが一人歩きして、肝心のイメージが乏しすぎる。空間造形で、言葉に重きを置くことも一つの方法だろう。しかし、言葉に釣り合うだけのイメージが膨らまないと、安直な説明になりかねない。「空間造形表現」を選択した意味がない。

 会場の外にワークシップの写真帳があった。実に楽しげで良い雰囲気だ。なぜこんな楽しい写真を用意したのだろう?なぜ写真のような楽しさ溢れる会場作りに励まなかったのだろう?現代の「居間」とは基本的にくつろぐ場だ。かつてアイヌはチセで普通に物語を語り合った。そういう虚構の「居間」を構築する試みは素晴らしい。「物語を背負う」前に、もっと目一杯に溢れる会場構成で物語を語ろうよ。


 (後日、「③・秋元さなえ」を書きます。)

 

by sakaidoori | 2011-02-09 14:18 | 資料館


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