1449)「『にらめっこ』 川上亜里子 若林啓 藤田遼子」・ＣＡＩ02 2月7日(月)～2月12日(土)

○　「第10回 サッポロ未来展　
　　　　　ノマディック・サーカス」関連企画　

　　「にらめっこ」　

　　　川上亜里子　
　　　若林啓　
　　　藤田遼子　　　　　


　会場：ＣＡＩ02 ｒａｕｍ2.3
　　　　　 中央区大通西５丁目　昭和ビル・Ｂ２　
　　　　　　（地下鉄大通駅1番出口。
　　　　　 注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
　　　　　　　　　　昭和ビルの地下２階です。）
　　　　　電話（０１１）８０２－６４３８

　会期：2011年2月7日（月）～2月12日（土）
　休み：日曜・祝日　
　時間：１３：００～２３：００

※　オープニング・パーティー　⇒　5日（土）　１９：００～

ーーーーーーーーーーーーーーー（2.5）




　道産子とのことですが、東京の美大に通われている若手3人展。

　「にらめっこ」とタイトルにあるように、総合主題は「顔」だ。ストレートで大らかで、チョット垢抜けた顔に巡り会えた。ストレートさは二十歳位という若さからだろう。垢抜けた感じは東京の香かもしれない。


　　　　　↑：藤田遼子。


　　　１９９０年　留萌市生まれ
　　　　現在　　　武蔵野美大油絵専攻




　　　　　↑：藤田遼子、共に「face」・段ボール　アクリルガッシュ　２０１０年。

　どこか素描感覚の残る顔だ。素描の中から乱雑な線を消し去って、子供肌のふくよか感や元気感を発散させている。全体の薄さが少し歯がゆい感じだが、直向きさが心地良い。
　挑発的な「目」も描いている。それはにらめっこの遊びの仕草であり、藤田遼子の土根性の現れでもあろう。怒れる目は長続きできなくて、最後はしかられて反省の正座スタイルになったところが現実的だ。リアルな表情という現実世界に重きを置き、そこからの何がしかのはみ出しが面白い。
　このふっくら感が大きく育てば、大きな絵になれば、折り重なっていくつもの顔々の世界・・・きっと見せてくれるだろう。


　　　　　　　　　　↑：若林啓、「rangda」・ＦＲＰ　２０１０年。


　　　１９８９年　北広島市生まれ。
　　　　現在　　　多摩美大油画専攻。


　たった１点の出品だから殊更言葉を残すのは止めておこう。左右の藤田・顔と川上・顔の中央にいて行司のような役。行司顔でお客さんを笑わせようとしている。うまくいったかな？


　　　　　↑：川上亜里子。


　　　１９９０年　えりも町生まれ。
　　　　現在　　　多摩美大油画専攻。


　　　　　↑：「情動」・パイン材　ジェッソ　油絵具　２０１０年。


　油彩だ。しかも燃える赤だから元気が良い。もっとも、他の作品もそうなのだが、ノーテンキなカラフル美術を志向していないから、雰囲気は少し深刻で暗めだ。暗いのだが、描き手の若さはどうしようも隠しようがない。健康的な暗さと言うべきか。
　他の作品タイトルに「死を記憶せよ」とある。画家の年齢で、この言葉はむずがゆい。「にらめっこ」というユーモアではないだろう。真剣なのだ。僕自身は死を思う気持ちからは遠い。「死を記憶せよ」と断じる心意気がうらやましい。

　絵画だけでなく、いろんなことを試みている。頼もしい学生だ。


　　　　　↑：「死を記憶せよ」・パイン材 アクリル絵の具 ニス 膠 石膏 薔薇 ビロード　銀。





　　　　　↑：「光化学スモッグ発生装置」・パイン材 アクリル絵の具 膠 石膏 真鍮。