栄通記

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2011年 01月 28日

1443)①「多摩美術大学版画科OB展 2011」・さいとう 1月25日(火)~1月30日(日)

○ 多摩美術大学版画科OB展
            2011
 


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2011年1月25日(火)~1月30日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:30まで)

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 17:00~18:30

 【参加作家】
 石原誠 伊藤あずさ 大久保拓子 太田マリコ 御囲章 小川了子 小田麻子 川田竜輔 小竹美雪 佐竹邦子 澤村佳代子 三瓶光夫 島田北斗 鈴村優 高橋亜弓 竹腰桃子 谷黒佐和子 友野直美 西岡久實 ネモトサチコ 堀田恵理 宮崎文子 渡邊慶子・・・以上、21名。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.28)

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 道外作家が多く参加しているし、毎年見ているので何かと楽しみ募る版画展です。オープニング・パーティーにも出席したかったのですが、野暮用で不参加。好漢・川田竜輔君とも会えずに残念なことをしました。

 さて今年の全体の印象です。
 白黒木版による強き輪郭バリバリ、腐食技法による強き心象バリバリ。そんな作風は少なかった。リトグラフや着彩による具象形の多さと相まって絵画的な趣が強かった。要するに、古典的版画らしさの薄い版画展という感じ。
 それなりにロマンティックな作品も多いのですが、若き女性感覚むき出しのメルヘンやロマン過多の作品も少なめで、堅実な感じ。
 特大の作品も少なく、ボリューム的には控えめ、そんなこんなの印象です。


 20名以上の参加です。比較的入り口作品から順番に、10名ほどを目安に載せていきます。まずは①として半分の5名です。日曜日までです。


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     ↑:谷黒佐和子、(左の大きい作品)「丘を越えた」・木版 61×80㎝ 2009年。

 フフフとほほ笑んでしまいました。木版なんですね。


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     ↑:小竹美雪、「frolic_flitting around_5」・インタリオ コラージュ 85㎝×85㎝2006年。


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     ↑:小竹美雪、「one motion_6 7 8」・インタリオ コラージュ 45×45㎝ 2007年。

 透けるような淡い感情線。ミトコンドリアのような遺伝子生命体かな?「美雪」、名前のような作品。ガーゼのような張り紙が重ねられ、「肌色に包まれ、破れる破れない、透ける透けない」世界での色と線の小踊り。

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          ↑:大久保拓子、「傷跡の標本」・ミクスト メディア 24.2×19.2㎝ 他 2008年 2010年。


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 北海道が遠いから小品を持ってきたのではないでしょう。小さな小さな世界が好きなのでしょう。
 「傷跡」や「人」の標本です。「標本」とはどこか惨いところのあるものです。美の結晶と記憶をひとまずの目的にして、その先にあるものは・・・。


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     ↑:友野直美、(左側) 「また くる」・凸版 凹版 40×51㎝ 2011年。


 空間を版特有の重なりで友野風ボリューム感を出し、画題の輪郭線との絡み合いで詩情を醸し出す、そういう作家として楽しんでいます。強すぎない程度に凛とした姿を表現したかったのでしょう。その行き過ぎが右側のやや大きめの作品になったようです。
 友野風のボリューム感と詩情、沢山制作して、その足跡を早くみたいものです。


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     ↑:宮崎文子、(左側) 「守る」・リトグラフ 86×56㎝ 2009年。(中央) 「スロット・マシーン」・リトグラフ 83×56.5㎝。


 いろんな要素を組み合わせて一つにするタイプのようです。人への関心がユーモラスに表現されている。青年らしい深刻な思いを、情緒で包んでいる。棟方志功ばりのリアルに関心を抱きながらも、ポエムに重きがあるよう。



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 ②に続く

by sakaidoori | 2011-01-28 21:43 | さいとう


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