2011年 01月 26日
○ 石井誠・展 LIMIT #1:痕跡 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ) 中央区南9西3-1-1 マジソンハイツ1F (地下鉄中島公園駅下車。 北東に徒歩2分。北東角地。) 電話(011)299ー6380 会期:2011年1月11日(火)~1月23日(日) 休み:会期中は無休 時間:10:30~22:00 (日曜日は、10:30~20:00) ーーーーーーーーーーーーーーー(1.21) (以下、敬称は省略させて頂きます。) 店舗は喫茶室と展示室に完全に別れている。 石井誠は昨春道都大学を卒業した。中島ゼミでシルクスクリーンを学んだ。現在は同大学の履修生として在席し、今春、京都精華大学大学院・芸術専攻科に進学される。 卒業後もしっかり大作を発表している。大学生時代も個展やグループ展と意欲的に美術・芸術に関わっていたから、たくましさは現在進行形だ。 大学院と進学も決まった中での個展、淡々とあれこれの美とロマンを見せている。 面白いのは、物語風の肉筆画だ。水彩画と聞いたがはっきり覚えてはいない。 タイトルが示すように、有名な小説などから画題をとったようだ。石井・ロマンが素直に出ている。しかもこの色合いは道都大学時代色だ。ガシッとした線と茶系で渋く重厚だ。ボロボロのすり切れた革靴の歩みが聞こえる。 いい記念だから全6点載せます。好きで描きはしたものの、シルク作品の意図的な虚構性を組み込んではいない。本に触発されたものをストレートに出したから、チョット恥ずかしいものがあるかもしれない。石井誠流の大人の絵本だ。 ーーーーーー 次はメイン会場の作品を載せます。 物語を背景にして、スピード感・リズム感で賑やかに重厚に、が出発だと思う。その初期の方向性の現在の姿が①、②の作品群だ。初めの頃の汚さ拙さを構築美で衣替えを計っている。男気の石井誠だ、渋い一色で男味を表に出す。角に丸みがでてきて男立ちを和らげている。 ③は随分と日本画の箔を意識したみたいだ。雰囲気は少し重たいが、装飾なり余白美にチャレンジしている。要するにいろいろなことを今は試みている。にぎやかさが好きなのだが、それではロマンを充分に汲めない。いろいろな美の表現と自己表現とを問答しているのだろう。 この探求する姿を、このまま京都の大学院に持ち込むのだろう。しかし、そこは清なる日本美の聖域である。田舎者を寄せ付けない気位がある。うるささを好む石井誠ではあるが、きっと洗練されるだろう。それは挫折感という痛みをともなうかもしれない。いや、すでにその方向は今展にも出ているのだから、自然に京都美を受け入れるかもしれない。だが変化するのは間違いない。 さて、京都で如何に変身するか?変身せざるか?深化するかしないか?楽しみにしよう。
by sakaidoori
| 2011-01-26 23:40
| (カフェ)ト・オン
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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