2011年 01月 11日
○ 第2回 札幌北陵高等学校美術部校外展 会場:アートスペース201 南2条西1丁目7・山口中央ビル5階 (東西に走る道路の南側。) 電話(011)251-1418 会期:2011年1月6日(木)~1月11日(火) 休み:水曜日(定休日) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~16:30まで) ーーーーーーーーーーーーーー(1.9) ~~~~~~~~~~ 昨年に引き続いて2回目の当館での美術部校外展。まだ伝統なり慣習というには早すぎますが、年始めの「気分一新お披露目展」として続けて欲しい。 そして、隣室は札幌国際情報高校の作品展だ。将来への大いなる野望を抱いた合同展ではないのだが、結果的には楽しき交流展になっている。他の高校、あるいはOB・OG、顧問先生の展覧会などでアートスペース全館が埋まればと思う。無理のないささやかな年始のお祭りになればと思う。同時がダメなら、「1月のアートスペースは高校生美術展」というのはどうだろう。何らかの形で高校関係の作品展が毎週開催だ。 作品を載せていきます。 作品は2月の「公募展 道展U21」への出品を予定しています。だから、大半は未完成ということで見て下さい。 その未完成ということを展覧会で上手い具合に利用している。 作品の横に、キャプションを兼ねて感想を求めている。「この作品をもっと良くするにはどうしたらいいのか。ご意見をお書きください」なかなか面白いアイデアだ。 それは作品への感想なのだが、作品と同等の展示だからどうしても何を書いているか気になる場合がある。一種の意見交換であり、目に見えぬ作家や鑑賞者同士の交流にもなっている。それに、もぞもぞと壁に向かって何やら書いているのを見るのは楽しいものだ。そんな姿を見ていると、普段は感想などを書かない人までも、読んではついつい書いたりもするかもしれない。 意見募集以上の事を関係者は期待したかどうか?期待以上の効果、交流展になっていた。 ↑:2年・佐々木伽菜、「密集からの始まり」。 遠くから見ていると、何かがふんわりと降りてきてズンズンと積もり積もっていく感じ。 下の方の何かには「福」とある。「福袋」を手に入れる為に集まっていることだ。それは絵の説明としては大正解だろう。でも直に福袋を手にする場面を描かなくて、福袋も一緒になって皆なと並んでいるよう。集まり集まり、並び並び、モジョモジョ話し声が聞こえるよう。隣の人は赤の他人なのだが、人が集えば何となく知り合いだ。 ちょっと不思議な要素があったりして、楽しい絵です。 2枚一組の作品だと物語がもっと広まりそう。 特大ホッチキスがセールス・ポイント。そこは面白かったが、もっともっと遊べばと思う。膝に載せたホッチキスをリアルに描く事に集中して、背景もぬかりなく一所懸命に描く事に夢中になって、何故ホッチキスだったのかという初心を少し忘れたみたい。 絵は丁寧に丁寧に描いていて好ましいのだが、その真面目さがカラフルな色の配所や画題の遊び心を生かし切っていないのが残念な感じ。 ↑:右側、1年・籠田俊、「べらぼうな城」。 見上げる構図で、雄大さや「べらぼう」というハチャメチャ感を出そうとしているみたい。 籠田君は構図・視点に満ち足りた感じで、肝心の「城」をべらぼうにすることを忘れたよう。とは言っても、1年生でこれだけ色爛漫で細々描く事は大変だっただろう。でも、褒めてばかり言っても仕方がない。僕はもっともっと「べらぼうな城」が見たかった。べらぼうな心意気から発する、「壮大なべらぼうな城」を。 手前の馬の顔と体の大きさがアンバランスだ、僕はこのアンバランスさが気に入っている。 叶君のこの馬に寄せる心は二つだ。顔は凛々しく優しく描く事。体はやっぱり馬だもの、大きく力強く描く事。そして絵全体でこの馬をメルヘンの主人公にする事だろう。 正確無比に対象を画く事は絵ではないだろう。画きたい気持ちを作る事、それを見る人に伝えれたらより良いのだろう。 意図的に叶君はアンバランスには描いていないだろう。だが、しっかりと気持ちを伝えていると思う。 馬、可愛くて大きくて強いものだ。そんな馬だった。 共に顔が大きくて似たような色合いだから、同じ人の絵と錯覚した。別々の学生の作品。 基本的にこういう顔を強調したり誇張された絵は好きですね。 「sigh」=ため息。表情が良く描けてると思う。 こういう意味深のタイトルの場合は背景なり小道具が微妙な意味で存在するのだが、「顔」一点に集約しての作品だ。場面全体が皮膚色で、顔の表情の生っぽさを強調している。少し一本調子な感じだが、顔を見つめる鈴木君の気持ちは好調だ。 ↑:右側、1年・加藤有香、「無心の少女」。 ちょっと不気味なシュールさと意味不明な所が好きだ。「背景?ええい、面倒くさい、黒だ!」と思ったかどうかは知らないが、この潔さが良い。 太腿露わな人は誰だろう?お母さん?何を愛玩するように、その人を見つめているのだろう?その秘密を黒が守ってくれているようだ。 以下、作品だけ載せます。 右側、2年・笈田夕貴、「ミドリガメと紅葉」。 そうさ、人生は気休めさ。それも良いではないか、ネェ、森脇君。 難しいテーマだから、絵としてはまだまだだが、ちょっと気になる余韻の残る絵。 3年生は進学準備の為に、出品はしているのですが、気分は賛助的参加です。 ↑:右側、3年・桑原拓也、「Give Me Freedom」 共にかなり好きな作品ですが、感想は割愛です。とくに「へその緒」は良い。絡まる世界からの「自立」を表現している。 普通にしっかり「景色」を見つめている。普通にしっかり絵にしている。 ~~~~~~~~~~~~~
by sakaidoori
| 2011-01-11 00:32
| アートスペース201
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||