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栄通記

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2011年 01月 08日

1419)「コレクション展 『阿部典英』」・芸森(B室) 10月30日(土)~1月30日(日)

○ コレクション展 阿部典英 

      
 会場:札幌芸術の森美術館
    札幌市南区芸術の森2丁目75番地
    電話(011)591-0090

 会期:2010年10月30日(土)~1月30日(日)
 休み:基本的に平日の月曜日
 時間:9:45~17:00 
 料金:無料 

ーーーーーーーーーーーー(12.23)

 12月23日訪問。

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 現在芸森では「美術評論家 なかがわ・つかさ展」が開かれている。正式なテーマはなかがわ つかさ氏が活躍した昭和30年代札幌美術の紹介だ。文字の多い展覧会で、ちょっとマニアックなところがあるが面白い企画展だと思う。会場での文章は後で図録(2,000円)を読んだらいいと思う。昭和30年代、札幌が北海道の都市としてガリバーになる出発点かもしれない。展覧会では、その頃の社会動向はなぞる程度だが、問題提起にはなっている。50年前にタイム・スリップするのも悪くはない。


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 そのなかがわ・つかさ展とは連動しないで、なぜだか「阿部典英・コレクション作品」が入場券売り場の向かい、B室で展示されている。企画者はあえて本展との関係性を問わない。たまたまの阿部典英・展というスタンスを貫いている。

 阿部典英氏は1939年・昭和14年生まれだ。
 以下、「なかがわ・つかさ展 昭和30年代」に関係する阿部典英氏の簡単な年譜です。


  昭和30年 (15歳) 札幌市立柏中学卒業。
  昭和33年 (18歳) 道立東高卒業
                 2年生の1学期に美術部を退部して、以後独学で美術を続ける。
                 2年生の時、に「第12回全道展」油彩画を出品。第26回展まで出品。
                 書道を選択して加納守拙に師事。前衛的な書を手がける。
               同年、佐藤トーヨーゴムに入社。
                 同年、「第33回道展」に出品。
  昭和34年 (19歳)   「第14回全道展」で札幌市教育賞を受賞
                  「第14回行動展」に出品。(以後、昭和41年まで毎回出品。)
  昭和35年 (20歳)   「第15回全道展」で奨励賞を受賞。
  昭和36年 (21歳)   「第16回行動展」で絵画部門新人賞を受賞。
                  「第5回シェル美術賞展」で佳作賞を受賞。
  昭和37年 (22歳)   「第6回シェル美術賞展」で佳作賞を受賞。
  昭和38年 (23歳)   「グループ組織」結成参加。昭和41年まで10回の展覧会開催。
                  「第23回北海道アンデパンダン展」出品。
  昭和39年 (24歳)   第4回《組織》展を「組織、北韓、オード(グループ合同展)」として開催出品。 
  昭和41年 (26歳)   第9回グループ《組織》展テーマ「ベトナム」に出品。
  昭和42年 (27歳) 北海学園大学卒業
                 (何年に同大学に入学したかは不明)


 公募展を足がかりにしながらも、若い時期から積極的にグループ活動をしている。40年代以降の典英氏の関わったグループ活動を敷衍すれば、北海道のグループの動向なり、その浮き沈み、流行り廃れなども垣間見る事ができるかもしれない。題して「阿部典英の『グループ脈・絵脈』展だ。

 資料の前段が長くなりすぎました。以下、簡単な本番です。

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 青い頭の火星人のような作品、「ネエ ダンナサン  あるいは彼方から」・2003年 木 アクリル絵の具 ステンレススティール 鉄 。
 頭が赤いハートマークの作品、「ネエ ダンナサン  あるいは 壇」・2001年 木 アクリル絵の具 黒鉛。
 黒い木の作品、「MOKUJIN」・1986年 木 染料 黒鉛 メディウム 鉛 革 釘 鋲。
 壁面作品、「オヨメサン・シリーズ」・1988~1993年 木 アクリル絵の具 竹 ニス。


 僕の写真で見るとニギニギしく見えるかもしれない。作品の重なる距離感が誤魔化されているからで、実際はシリーズ毎に温和しい展示だ。
 ここは一つ遊び心が欲しかった。シリーズとしての自立性を廃して、学芸員の美学・思惑で並び替えてはどうだろう。作品は全て擬人化されているのは明瞭だ。ならば、「阿部典英・ドラーマ」として悲喜劇空間を作ってはどうだろう。「オヨメサン」を「火星人」が踏みつける、「モクジン」がまさしく黙して傍観する、ハートの「ダンナサン」は高みの雛壇から観劇する、いろいろとアイデアはあるだろう。
 「そんな事は作家や作品の冒涜だ!」との声が上がるかもしれない。そうかもしれない。それでも時には無礼講もいいものでは。愛とユーモアは阿部心だから。「ネ~ テンエイサン  ユルシテ ツカ~サイ」


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by sakaidoori | 2011-01-08 08:03 | ☆芸術の森美術館


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