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栄通記

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2011年 01月 05日

1414) アバウトの写真・29回目 「谷口顕一郎・展 『凹みスタデイ #19』より 」 2010年9月23日撮影


○ 谷口顕一郎・展 「凹みスタデイ #19」 より


 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年9月21日(火)~10月3日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(2010.9.23)

1414) アバウトの写真・29回目 「谷口顕一郎・展 『凹みスタデイ #19』より 」 2010年9月23日撮影_f0126829_7451638.jpg



1414) アバウトの写真・29回目 「谷口顕一郎・展 『凹みスタデイ #19』より 」 2010年9月23日撮影_f0126829_7453665.jpg



 会場風景写真の作品部分のみを今回のアバウト写真に使わせてもらいます。

 谷口顕一郎君の魅力は、遊び心とバランス感覚の良さにあると思っている。

 上の作品はベルリンのある路上の傷をトレースして、折りたたみ式プラスチック作品に変身したものだ。怪獣や化け物という空想動物を思わせる。
 もし、作品の原点になった「路上の凹み・傷」に焦点を当てれば、社会批判の旺盛な作家といえる。作品は都市から立ち上がるモンスターであり、現代文明の有り様を考えさせる道具だ。。
 もし、素材の意味を無視しての作品作りに焦点を当てれば、溢れる想像力の持ち主とみることができる。作家の行為を通した現代の「暇」を堪能するわけだ。

 谷口顕一郎君は社会性と遊びを美学という天秤棒で楽しんでいるようだ。「遊び心」という行為の源泉を、上手い具合に「歴史性、社会性」とドッキングできたとも言える。趣味人的表現者が社会性を帯びた作家にスライドした。
 作品は遊び心に反して、荘重で重々しい。遊びの中の「過剰なエネルギー」をなすがままに放置したからだろう。今のバランス感覚の現れでもある。

 問題は作品の中での「社会性」にあると思う。
 バランス感覚の良さといっても、左のポッケの中の「夢」や「遊び」を減らしたら、「凹み」はたんなる模様になるだろう。
 右のポッケの中にある「歴史性、社会性、文明性」という道具立ての中で、左のポッケがどこまで遊べるかである。どこまで遊びながら「社会性」を膨らますことができるか。時には「社会性」を捨てきるかにかかっているだろう。バランス感覚は虚々実々との闘いへと変貌するかもしれない。「遊び心」は虚なのか実なのか、「社会性」は虚なのか実なのか?難しき皮膜を歩くかもしれない。



 お家の中でレゴの積み木で遊んでいたら、家では一人で面白くない。レゴを持って窓から外へとお散歩。いつしか手元のレゴは何処かに行って、「凹み」という傷模様がレゴの代わりになってしまい、気が付けば大きな大きなモンスターを作ってしまった。

by sakaidoori | 2011-01-05 09:31 | ★アバウトの写真について


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