栄通記

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2010年 12月 23日

1405) 茶房法邑 「松田郁美 =鉄のパーツたち展=」 終了・10月16日(土)~10月24日(日)

○ 松田郁美

   =鉄のパーツたち展=


        
 ・会場:茶廊法邑
    東区本町1条1丁目8-27
    電話(011)785-3607

 期間:2010年10月16日(土)~10月24日(日)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~16:00まで) 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(10.24)

 この展覧会辺りからブログを休み始めた。
 今展も載せるつもりだったが、無沙汰をしてしまった。
 この場所は広い。その広い場所で、広さに負けずに鉄の個展であった。しかも若い女性だ。
 鉄を制作し続けることは大変だと思う。単純にアトリエの確保が難しいだろう。絵画ですら大学なりの養成機関を修了した後、創作作家として残る人は少ない。ましてや鉄だ。しかも女性だ。何とか続けられて、後輩に背中を見られる存在になってもらいたいものだ。
 
 松田郁美・鉄展。「鉄を見れた」、という楽しい印象ばかりが多く残り、細かい作風のことを今更語れるかどうか、撮った写真を眺めながら個展会場を思い出すことにしよう。


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     ↑:会場入り口から。


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     ↑:会場の奥から。


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     ↑:「建設するパーツたち」・鉄。

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          ↑:(背景の壁面作品)「ラインを描くパーツたち」、鉄・モデリングペースト。

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          ↑:立ち上がる円」、鉄・モデリングペースト。

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     ↑:「群れ急ぐパーツ」、鉄 モデリングペースト。


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 薄くて可愛い鉄のパーツが群れを成している。「増殖、拡大する鉄の世界」ではあるが、迫り来る波濤の勢いとか、鉄の重みや迫力からは遠い。すっきり、爽やか、鉄・音楽隊の行進だ。

 錆色をした薄いパーツ、歯車だとか○△□だとかの形だ。拡がり重ねられてはいるが、一つの統一感を保っている。一つ一つのパーツは譜面の記号のようだ。だから、それらが音楽の一部をなして、全体で調和しあいハモっている。気分まる出しのジャズ・スイングやロックの爆発からは遠い。軽やかで甘く夢みる軽音楽だ。
 この音楽性、調和と安定感が画家の気質なのだろう。「鉄」を中心にして、自分の体質や音楽性なり、使えるものならば何でも使っちゃおうという軽くて自由なノリだ。それは鉄作家としては浮気心に見られるかもしれない。だが、僕は剛直な「鉄」・一本勝負という美術感を卒業しないといけないようだ。鉄拡散路線は中心が薄くなり迫力に乏しくなるかもしれない。だが、「中心ありき」という発想は、無意識に美の基準を用意している。「合理的なものは美しい」という格言に堕ちかねない。
 松田郁美、立体作家が絵画や壁面に軽く取り組み、鉄すらも吹けば飛ぶような存在感にしている。

 もう一つの魅力は、「女性らしさ」だ。
 立体の構築物や重ねられた部品の山は、どこか透けて見えて女性の下着のようだ。セクシーというには色気不足だが、下着に身を包み、鏡の前でナルシズムにひたる直前のありようだ。壁面作品の「白」や、鉄パーツで押された凸凹の模様など、鉄のスケスケ感と重なり淡い女性感覚を醸し出している。

 軽音楽的リズムによる調和と淡い美学。
 若さや今風の魅力は、意外にも「若さ」そのものの不足を感じる。
 例えば、「始めのイメージありき」という狭さ感だ。イメージ通りに作って、イメージの枠内で完了してしまったことだ。音楽会でいえば、アンコールで会が終了して軽くお開きになった感じだ。
 構築物も背景に完成予想図を思い浮かべてしまう。気分の発展性や、「若さ」という魅力を出し切っていないみたいだ。

 まだまだ遠慮があるようだ。それも試行錯誤の足跡だろう。
 鉄を線描として埋める姿は面白い。鉄の骨格・存在感よりも、鉄との親和性、関わり重視だ。その姿はこれからもっとはっきりするだろう。まだまだ30歳に満たない人なのだ。

by sakaidoori | 2010-12-23 09:59 | (茶廊)法邑


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