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栄通記

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2010年 12月 17日

1396) さいとう 「阿部真大・松浦進 (2人展) 『we are plastic』」 12月14日(火)~12月19日(日)


○ 阿部真大 松浦進 (2人展)

    we are plastic


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:20010年12月14日(火)~12月19日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(12.14)

 道都大中島ゼミの学生2人展。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:(阿部真大の作品群。)


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     ↑:(松浦進の作品群。)


 ○ 阿部真大の場合
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     ↑:「砂の氷決勝」。


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     ↑:右側。「街を生む花」・シルクスクリーン。


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     ↑:「砂の街に運ぶ水」・シルクスクリーン。

 今春大学を卒業して、そのまま大学でシルクスクリーンを学んでいる。

 今年の3月に当館で個展をしている。ニューヨーカーのストリート落書きマン、そんなスタイルの絵(シルク版画)だった。外向的スタイルなのに綺麗に収まりすぎだから、「ライブ・ドローイングなんかにチャレンジして、もっともっと発散したら」と声をかけたのを覚えている。

 作風が変わったのには驚いた。エネルギーが限りなく内向きになった。もちろん、でるでる・モクモクというポップでデザイン的なところは同じなのだが、作品内部を根性の点描で装飾している。街に出て壁にエネルギーをぶっつける、そんな野暮な方法を避けて、小さな紙そのものに若き情念を埋め込んでいる。だが、シルクスクリーンによる間接仕上げだから、点描の生理は薄められてしまった。輪郭線のスッキリした太さや、面の明快さに生理的エネルギーがカモフラージュされている。僕には不徹底な感じだが、綺麗にクリアーに仕上げたいという美学が阿部君にはあるのだろう。それはそれで良い。だが、画面全体を力勝負で綺麗に埋めたいという意識が少ないから、余白が余りに透き間になっていると思う。支持体としての「白」で終わっていると思う。だから、画家の一所懸命な埋める努力が軽く見られてしまいそうだ。画面全体の構成力、今展ではそこまでの余裕がなかったみたいだ。
 やっぱり、「作品を少し汚した」くらいの勢いを経験して、空間の身の処し方を体験するしかないのだろう。

 それにしても、意外な点描の世界だった。強くでるでるエネルギーに期待しよう。


○ 松浦進の場合


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     ↑:左から、「ののしってちゃん」 「さよならクラージュ」。


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     ↑:左から、「繋乱」 「 」 「 」。


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     ↑:「裏の相合の方へ」。


 人間のボディーと遊んでいるのが面白い。物事を直線で把握するのが不得手な青年かもしれない。白黒、強弱という一刀両断的な世界には生きていないのだろう。
 このふわふわ精神には興味があるのだが、一本のふわふわ線、それはボディーの輪郭線として完結するのだが、その線だけで満足している感じだ。松浦君の場合は直線の交差などは論外なのだが、ふわふわ線同士での重なりも避けたがっているみたいだ。平面という空間から、もこりんペンのようにもっこりと立体物(ボディー)が生まれる、そういう感覚人なのかもしれない。その膨らみもふんわかダラリとして、凸凹、凹凸という淀みではないのだろう。

 今展、画家のふんわか精神が一様すぎて、作品展示として生かされてないようだ。松浦君も無意識に作品群のリズムの無さに気が付いていて、作品の大小と、背景の色違いで見せる工夫をしている。

 この、のっぺんだらりのフンワカ精神は悪くはない。たゆたゆしい線がもっともっと生かされるような、工夫と苦労・・・何よりも「人間」にこだわる精神がふわふわ線と平面世界を生んだのだから、恐れることなく松浦風に「人間」に迫り、泣き笑いをするような人間の誕生・・・、そんな松浦・人間人形もいいものだ。



 

by sakaidoori | 2010-12-17 18:57 | さいとう


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