1393) 創 「田村陽子＋藤沢レオ」 12月3日（金）～12月16日（木）

○　田村陽子＋藤沢レオ


　会場：ギャラリー創（ソウ）
　　　　中央区南９条西６丁目１－３６
　　　　　　Ｕ－ＳＴＡＧＥ１Ｆ
　　　　（地下鉄中島公園駅から西に徒歩５分。
　　　　　南９条通り沿いの南側。）
　　　　※駐車場は２台分完備
　　　　電話（０１１）５６２ー７７６２

　会期：2010年12月3日（金）～12月16日（木）
　休み：火曜日（定休日）
　時間：１０：００～１８：００

※　オープニング・パーティー　⇒　12.3（金）　１８：００～

※　ギャラリー・トーク　⇒　12.11（土）　１５：００～

ーーーーーーーーーーー（12.11）

　小さな作品が壁に並んでいてたり吊り下げられたり、外の光を受けては人口の照明の中で白色ムード、明るい緑の渦巻きが不思議と浮き出て目に迫る、そこにあるのを忘れしまいそうな小さな小さなガラス滴、綺麗に行儀良正しく浮かび、挨拶気分で軽く触れてみる、どうしたことか小刻みに激しく震える、線香花火の最後の輝きに似て、たわいのない滴が目に焼き付いてしまう・・・そんなお洒落でちょっとセンチ、クリスタルムードの展覧会です。


　（以下、敬称は省略させて頂きます。）

　金属の紐にガラスの玉が引っ付いているのが藤沢レオ。
　緑のテングスが田村陽子。














　今展は間違いなく２人展だ。決して相手の領域を侵すことなく、存在している。ですが、あまりに普段着スタイルの等身大の姿勢が会場で馴染み会い、しかも「空間に在る」という主張が期せずして一つの領域を作っている。決して「田村・作品⇔藤沢・作品」になることはない。「田村・作品⇔空間⇔藤沢作品」、その関係の中で２人が存在している。常に相手が影だ。とても明るい部屋なのに、影である存在とは変なものだ。明るい場では影の黒も目立つ、そんな関係なのだろう。

　藤沢レオは工芸的感覚の強い人だ。その優しさ、線の細さが邪魔をして我の主張が弱い。最近はその弱さを逆手にとってキリキリの線と点で勝負している。主張のひ弱さを顧みず、自己の魅力・原点を見つめている感がある。誰かとのグループ活動を好むが相手を気にせず、その徹底心が良い。
　そうは言っても今展の場合、相手が壁を利用するのを前提にした作品であろう。その壁作品を邪魔しないで真ん中の空間を埋める、しかもあるかないか分からないようにして自己を出す、相手と勝負することなく「静かな自己主張」をする。自分の作品のオーラは相手の作品に向かうことなく鑑賞者だけに行く・・・今展は間違いなく成功しているだろう。だが、場や空気を読める優しき人が同席する場合は良いだろう。もし、無手勝流のオーラ全開の作品と場を共有する場合はどうなるのだろう？避けるのだろうか？
　「優しさと強さの両立」、難しい課題だ。しかも両者を包む大きな世界となると一層難しい。
　藤沢レオはどの辺の大きさで満足するのだろう？


　　　　　↑：下からの風景。









　どうしたことか藤沢ワールドを強く語りすぎてしまった。
　精力を使いすぎたので田村ワールドは写真紹介で留めます。



















　もっともっと軽やかに爽やかに、そして美しく・・・ガラスに水に包まれていつまでもいつまでも・・・。