栄通記

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2010年 10月 05日

1383) テンポラリー 「谷口顕一郎展  『凹みスタデイ#19』」 終了・9月21日(火)~10月3日(日)


○ 谷口顕一郎・展

    「凹みスタデイ #19」



 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年9月21日(火)~10月3日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(9.23)

 黄色い立体作品が会場中央に吊り下げられている。そして今展はこの作品だけを堪能すべきなのだ。壁面は作家の美術家としての仕事の有り様の紹介と、見せ方の美学だ。

 当日は曇りがちの天気だった。ところが、時折見せる外光が作品を照り輝かせて、一瞬にして別次元に見る人を誘う。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 

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     ↑:正面からの風景。


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 何から語ったらいいのだろう・・・。

 とにかく美しい。

 プラスチックという石油文明の権化のようなものが、その由来を忘れさすような自然の美しさで、ビシッとたたずんでいる。自然光も友だちにしている。古びた民家が美のための宝箱のようにして存在している。一つの完結美だ。

 それはバーチャルな仮想四次元美でもある。余りにも恣意的な、余りにも文明的な美でもある。間違いなくそこにあるのだが、触られことよりもひたすら見られることで輝きを増している。

 谷口顕一郎の創作姿勢を簡単に書こう。
 彼は地面なり壁なりの凹んだ模様に注目する。その模様をトレースして、黄色いプラスチック版に型どる。一端、そのトレース模様が現場の凹みと合致するかを確認する。一つの儀式だ。場に対する感謝と、創作する宣言でもある。それから、、その模様を切り刻んで蝶版でつなぎ合わせて、一つの固まりとしての作品ができあがる。その蝶版の開き具合で作品はアコーデオン・カーテンのようなものにもなるし、天空に一文字に付き指す矢のような物にもなる。どう創るかは作家の恣意であり創作だ。

 この創作過程に物語と断絶がある。
 作品には現場の「風景という物語」が埋め込まれている。現場の凹み模様は作家が把握する以前に存在している。歴史があり、時が流れ、今そこにある。誰もが見逃していた「凹みという傷」、それを作家は美の女神のようにすくいとり、巨大な銅像のようにして我々の目の前に晒す。
 現場のエネルギーは、その模様だけではないだろう。切り刻んで、つなぎ合わせて、固まりに蘇生させる一つ一つの流れの中の、作家自身のエネルギーの供給源にもなっている。
 だが、見る方は、そのことを確認すれば事足りるわけで、実際は谷口顕一郎の美学のみを相手にしているのだ。

 谷口顕一郎・展の過去の魅力、当然それは僕にとっての魅力なのだが、二つのことがあった。
 一つは、いったい作家は何をしているのだろう?何を作るのだろう?どうなっていくのだろう?
 そして、それらのことを踏まえながら、会場全体がざわついていたのが楽しかった。テンポラリーではドローイングをしたりして、作家自身が動いていた。今展よりも巨大な作品を大阪で見た。作品自体は吊り下げられていただけなのだが、動きがあった。いつの場合も「場」との格闘があった。

 今展、残念だが場との語らいということでは楽しみに欠けた。サンプルをドーンと見させてもらった感じだ。言える言葉は「良い作品ですね」、それだけだ。
 吊り下げ方に最大の原因があった気がする。
 紹介した写真でもわかるように、今作は40㎝位の棒状の物が支点になっていて、あたかも既にできあがっている作品をそこにぶら下げただけのような感じだ。実際のところはわからないが、会場を知り尽くしている人だ。相当シミュレーションしたことだろう。支点が狭く限定されているから作品が動きようがない。「これを見よ!」としてそこにある。
 おそらく作家は今展会場で作品の可能性を試みてはいないのだろう。会場を知り尽くしている人だ、場に対する愛情も人一倍だろう。そこで己の作品の輝きを確認したかったのだろう。


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          ↑:このポスターは素晴らしい。中の写真をいくつか紹介します。


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          ↑:今展の現場の模様(凹み)かもしれません。図面とエスキスになるのでしょうか。
 金箔ではなく黒雲母を背景にしての絵です。どこか日本画的雰囲気があります。


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          ↑:玄関近くの小部屋風景。


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by sakaidoori | 2010-10-05 22:56 | テンポラリー


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