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栄通記

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2010年 09月 20日

1376) 道新ぎゃらりー 「2010 横山文代・個展  小樽・後志旅日記」 9月16日(木)~9月21日(火)


○ 2010 横山文代・個展

    小樽・後志旅日記



 会場:道新ぎゃらりー
    中央区大通西3丁目
     北海道新聞社北1条館1F・道新プラザ内
     (入り口は東向き)
    電話(011)221-2111

 会期:2010年9月16日(木)~9月21日(火)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、 ~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.18)

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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 横山文代は漫画家であり、イラストレーターであり、油彩画家だ。その順番で今日がある。

 漫画家、そこでは絵空事の嘘の物語が楽しく元気よく展開しているのだろう。
 イラストレーター、今展を見ればわかるが本当のことを分かりやすく明るく伝えている。
 虚実の違いはあるが、明るく元気よく、そして人間が大好きという世界だ。(漫画の実作を見たことがないので推測の言葉ではあるが、あえて断定形を使いたい。)

 そして油彩画だ。漫画やイラストの延長上の人間大好きで、明るく元気な絵をめざすのならば話は簡単なのだ。ところが、彼女は本格「油彩風景画家」をめざしている。漫画やイラストで表現できないことがそこでは大きな比重を占めている。

 横山文代は明るく強い作品をめざしている。それは良い。そして「正直にありたい」と願っている。そういう人の絵は、どんな形であれ正直さが強く画面を覆う。問題は、絵画とはそもそも「嘘」なのだ。紙か板か生地などの表面を、作家の意思で画材が覆っているだけなのだ。「嘘」から出た「誠」を追求せねばならないのに、「実」の上に「誠」を彼女は重ねる。それでなくても絵画には自然に「作家の心根」が反映されるわけだから、「真、真,真」の作品になってしまう。だから「写真」に近づいてしまう。実際、そう言われている。個性的な絵をめざしながら、没個性の世界を漂っている。「風景の美」の虜になってしまい、「写実」に忠実なお姫様のようだ。「自己の信念という風景」を見るゆとりがないのだろう。

 だが、横山文代はそう言われても怒らない。丸顔の童顔に漫画のような苦笑を浮かべてお客との会話を続けていく。この天真爛漫な正直さ、その徹底振りは凄い。中途半端ではない。「写真」のように見られるのは不本意だろう、悔しいことだろう。だが、見られる事実を受け入れている。他者の言葉に真実を見いだそうとしている。本当に果てしなく正直な人だ。

 彼女がどこまで大成するかは分からない。だが、凄い勢いで制作している。しかも、発表している。
 当分は今の傾向が続くだろう。焦ることはない。風景にどんどん人物が入り込み、「人間万歳!!」の絵になるかもしれない。どう変化し深まるか、楽しみに見ていこう。


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          ↑:しりべし旅日記、「ブナの原生林」・100号。

 今展の力作。この作品がスタートだ。
 欲張りな人だ。あれもこれも描こうとして、特徴薄い作品になったのが残念。動じぬ「信念」があればと思う。


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          ↑:しりべし旅日記、「賀老の滝」・60号くらい?

 小さいけれども目立つ色の人物がいる。「なぜ描いたの?」「滝の大きさがわかるように」「ダメ!!!」


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     ↑:左から、「紅葉と初雪」 「中の植物園の紅葉」。

 左側の絵が好きだ。好みはもっと地平線を上にして、ピンクと白だらけだ。そこに横山文代ボリューム感なり、造形が生まれればと思った。


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          ↑:「夏へ」・小品。

 大海の中の中央に孤舟があるだけ。
 完成度は別にして、こういう僕好みの絵を描く人でもある。



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          ↑:記念すべき「しりべし旅日記 第1号」


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          ↑:比較的最近のイラスト。


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by sakaidoori | 2010-09-20 14:14 | 道新プラザ


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