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栄通記

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2010年 09月 16日

1371) CAI02 「アサノカオリ / ちいさな海のうえ」 9月11日(金)~9月17日(土)


○ アサノカオリ

     ちいさな海のうえ



 会場:CAI02 raum2・3
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
    (地下鉄大通駅1番出口。
    注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
        昭和ビルの地下2階です。)
    電話(011)802-6438

 会期:2010年9月11日(金)~9月17日(土)
 休み:無し
 時間:13:00~23:00

ーーーーーーーーーーーーーーー(9.11&13)

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 床に小さな折り紙の風船が飾られている。青と白、人の歩みを邪魔することなく、そこかしこに存在している。密にまばらに。


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 若者らしい絵もある。だが、その流れを何と解釈すればいいのか・・・。


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 壁には無造作にガラスの破片が刺さっている。

 ・・・。


 一つの心象風景だろう。他人を寄せ付けない作家だけの楽しみの場だ。この展示をもって何を作家と語り合うのか?
 ・・・。
 空間を作る、あるいはこの時限りの展示と言うことならばインスタレーションとして語り合えばいいのだろう。間違いなくインスタレーションなのだが、そこで強く主張している「思想」があるのか?それでは「美学」の自己顕示なのか?

 僕は、作家が今後表現するためのリ・スタート展としてみた。つまり、他者の入り込む余地がほとんど無い展覧会だ。自分の汚泥を吐き出す行為ではない。自分という鏡を写し出す風景として見た。
 その限りでは正直な美学と言える。それは他人を無視した正直さだ。
 それでは自分に溺れきっている美学か?そうとも言い切れないのが今の作家の弱さで、他者の目を気にする色気をほのかに感じる。
 要は、他者との交流の回路が、展示の儚さのようにどこかギクシャクしている。その確保のあがきとも見れる。
 ・・・。

 しかし、何と青年らしい展示だろう。我が道を行く細く神経質な美しさ、その唯我独尊さと、形の不分明さに見ていてモヤモヤ感を抱きはする。同時に、あまりの正直さに「これはこれで良いのだ」と一人合点をしてしまった。

 床の紙風船はこの手の展示にはよくある手段だ。踏まないように歩けばそれまでだ。
 グシャリ、踏んでしまった。何の抵抗感もなく靴底に音だけが残る。何かが消えて行く。抵抗感のある物を踏めば、壊したという対等な意識で残骸を見れるのだが、その無抵抗な紙風船のつぶれ音は、何故だか足の裏にこびりついて、その後の鑑賞の歩みの邪魔をする。『こんな、踏まれてはすぐ壊れる紙風船を床に置くなんて、罪な作家だ』、と意味もなくモンクを言いたくなった。無邪気で強情な女性なのだ。お嬢さんの持つ傲慢さと正直さなのだろう。


 あれやこれやと取り留めもなく作家と対話した。
 もうすぐ30歳になる人で帯広出身とのことだ。隣室で個展を開いている山本雄基青年と全く同じだ。女子美大出身で関東圏に住んでいる。
 本格的に都心で発表する前に、地元北海道で個展をせねばならいという信念での展覧会だ。何とも頼もしい女性だ。
 パッチリ見開いた大きな目で、言葉を探すようにして会話は進んだ。自分に言い聞かせるように言葉を見つけてはうなずき、言い間違えたならば頭を左右に振り、手のひらのハンカチを握りしめては自問自答していた。
 都会でもっともっと鍛えられて欲しい。そして何年かして、また作品に会えるのを楽しみにしよう。


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by sakaidoori | 2010-09-16 00:13 | CAI02(昭和ビル)


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