2010年 08月 25日
○ 第5回 透明水彩 六花展 (リッカ・テン) 会場:札幌市資料館 2階1室 中央区大通西13丁目 (旧札幌控訴院。 大通公園の西の果て) 電話(011)251-0731 会期:2010年8月3日(火)~8月8日(日) 休み:月曜日 時間:10:00~17:00 (最終日は、~15:00まで) 【参加作家】 梅田真知子 川上町子 橘田君代 小路七穂子 湯淺美恵 吉田博美 ーーーーーーーーーーーーー(8.7) ![]() ![]() ![]() ![]() この日は小路七穂子さんが一人居られた。あれこれと会話に花が咲いた。というわけで、彼女中心の記事です。 話に夢中になり、相当撮り忘れてしまった。一部の人しか紹介できません。来年の楽しみに残しておきましょう。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) ![]() 実にシンプルな絵だ。裸婦とツル植物と背景、画かれているのはこの3点だけだ。シンプルなのに、全体で何を画きたいかが伝わらない。ツルの絡み姿の妙や生命力なのか、裸婦の姿態のつややかさとか存在感なのか、背景の装飾美なのか?要するにこの3者の視覚関係が、「正ー反ー合」の三角関係なのか、協調関係なのか、主従の関係なり力点の置き所がはっきりしない。大作絵画修行中といわれればそれまでだが、そういう問題ではなさそうだ。 要するに「何を画きたいか」を作家が強く意識し自覚し主張していないと思う。「ツルの線描」でも良いと思う、「裸婦の形」でも良いと思う、「拡がる青色世界」でも良いと思う。欲張りな作家だから、三つとも主張して、最後は上手く収めようとした。その「収める心」が絵を中途半端にした。僕には残念でならない。 小路七穂子は小品の風景画を描く。小さいけれども、いろんなものを上手に描き込んでいて、細かい観察力や鋭い感覚が実に良く伝わる。強い気持ちが絵に反映していている。 光の好きな画家だと思う 実景から離れた「作る絵」に課題が一杯ありそうだ。もっともっと良くなる小路七穂子、次回も楽しみにしています。 ![]() ![]() ↑:小路七穂子。左から、「長沼 初夏 Ⅲ」 「愛らしきマンゴスチン」・ともにF3号。 ![]() 川上町子。 この人の魅力は初々しさだ。素直に画きたい対象を見て、そこに全神経を集中して愛おしく画く。その姿勢の初々しさが絵にスッポリと収まっていて、見ていて清々しい。 「オオウバユリ」、白く化粧したお姫様のようだ。廻りの緑が楽しくハモっている。 僕は画家の絵画歴を知らない。だからその初々しさは、もしかしたら画歴の長さとも関係があるかもしれない。より長ずれば初々しさが消えるのか?仮にそうだとしても、かならず絵のどこかに「初々しさ」を留めているような気がする。 ![]() ![]() ↑:川上町子。「バラ」・SM、「コスモス}・F3号。 ![]() 素直な絵だ。この絵も描きたいこと、主張したいことははっきりしている。まさしく「もの想う女性」だ。 主役中心主義という点では川上絵画と同じだろう。だから分かりやすく楽しい。 吉田絵画の脇役達は主役から一歩退いて、優しく暖かく見守っている。川上町子の脇役達は主役と一緒になって謳って、主役を引き立たせている。そこが吉田絵画観と川上絵画観の違いだろう。 ![]() ![]() 時の流れの中で女性(ひと)を見つめる・・・湯淺恵美のいつもの表現スタイルだ。 少しパターン化されているのが気になる所だ。今作、2点ほど、いつもとは違う感じだ。 一つは女性の顔に現実感が漂っている。頬のあたりを濃くして生っぽい。いつもの女性像は無表情だ。良く言えば「永久の時間」に身を置く「死相」なのだろう。悪く言えば、少し観念じみていた。 一つはグルグル廻る時計の中央をホワイト・ゾーンにして、絵画としての生っぽさがある。その白と顔が向き合っている。何か対話をしているのだろう。時計のグルグル巻きは少し説明調だが、この白さは絵画調で気持ちが良い。まだ消化過程のような感じだが、こういうのは好きだ。 ![]() ![]() 会話の花咲く楽しい喫茶店、店内を画いていないのに、そんな喫茶風景が目に浮かびます。 他の小品と合わせて青が印象的な作家。
by sakaidoori
| 2010-08-25 19:37
| 資料館
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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