栄通記

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2010年 08月 21日

1345) ②小樽・市民ギャラリー 「Wave  15人展」 8月17日(火)~8月22日(日)


○ Wave  15人展


 会場:市立小樽美術館・3F市民ギャラリー
     小樽市色内1丁目9番5号
     (小樽駅から5分ほど運河方面に)  
     電話(0134)34-0035

 会期:2010年8月17日(火)~8月22日(日) 
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)
 料金:無料

 【参加作家】
 青木美樹(絵画) 江川光博(絵画) 大谷美由起(絵画) 工藤英雄(絵画) 佐藤綾子(日本画) ナカムラアリ(版画) 深山秀子(絵画) 水谷のぼる(彫刻) 福原幸喜(絵画) 徳吉和男(絵画) 高野理栄子(版画) 羽山雅愉(絵画) 末永正子(絵画) 三宅悟(絵画) 安田眞紀子(工芸) ・・・以上、15名。

ーーーーーーーーーーーーーー(8.18)

 (1343番の続き。)


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     ↑:高野理栄子、「(無題)」・版画。

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 似たような模様の作品が大きさを同じくして沢山並んでいる。
 まるで頭をガーンと叩いた時の網膜世界を転写したみたいだ。だから、目を連想させる丸のある風景を選んでみた。
 色なり模様の系統と大きさは統一させる。水平線というか横ラインの位置を変えてみる。模様の変化は運動や力や情動の証だ。そこから何が見えるか?

 一つの執着心が好ましい。赤茶けた世界が不思議と綺麗だ。融通無碍的世界だからか、他者との作品とは不思議に連動している。逆に、作家の一点を見つめる強さはグループ展では見えにくい。
 個展を見たいものだ。ムードに流されるのか?ざわめく力がググッと押し寄せるのか?


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     ↑:三宅悟



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     ↑:「休日の公園」。

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 今回はざわめき楽しい作品を見ることができた。

 しかも、3枚組の大作も見れた。
 それは得意の精神主義を迂回するかのように、若者のひょうきんな動きも描いている。若者に触発され、彼・彼女等から刺激を受け、そのお返しのような若者讃歌でもある。くつろいだ憩いの広場、光も充分にある屋外だ。壁のピンクと葉の緑が三宅風万華鏡だ。「市民」が微笑み合って、それぞれの好きなことを自然の流れの中で振る舞っている。
 万年郷というストップ時間を見つめる作家が、一筆一筆の筆跡に明確な絵画思想を含ませる作家が、流れる時間に人の笑い声を含ませている。その流れに画家自身が身を任せている。


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     ↑:水谷のぼる


 シニカルでユーモラスな立体作品。
 上の写真は、いつもの氏の定位置の作品群。今回はかなり精力的で、他の場所にもさりげなく飾ってある。その作品が涙のでそうな作品だ。

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     ↑:左から、「矛盾を持つ男」、「抱き合う剣山」。

 今年の「栄通・ネーミング大賞」の最有力候補だ。水谷のぼるの「トゲ」が輝いている。
 「抱き合う剣山」、愛は血の交歓、愛は苦しむもの、そして愛は地球を救う!本当だろうか?強い愛は愛人の血以上に、他者の生け贄を欲する。愛人とのエクスタシーは他者の犠牲を欲する。強い愛、それが時に人をダメにする。それでも欲する強い愛。


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     ↑:深山秀子。左から、「初冬記」 「冬野抄」 「蒼春譜」 「?」。

 深山秀子風雅による春夏秋冬の四季図です。いつも以上に古代王朝風雅の世界を素直にてらい無く表現している。明るく楽しい雰囲気が良い。こちらも素直に「雅」に耽りたくなった。線の硬いリズムと色の柔らかいリズムが男女のダンスのよう。



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     ↑:大谷美由起

 どこか都会的でクリスタルな抽象、そんな印象。小品というミクロコスモスを見つめて、宇宙というマクロコスモスがイメージされる。



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     ↑:福原幸喜。左から、「Rue Rossett,NICE」・F100号 油彩。「Rue Saint-Augustin,Nice」。


 絵画内部の独立しためくるめく世界を表現している。それはトリック・アート的要素があるのだが、トリック自体を楽しむというよりも、その先の何かを求めて励んでいるという感じ。

 絵としては右の方が成功しているのかもしれない。だが、こちらは「構図の勝利」というべきで、この手法を使ったら、ある程度の成功を勝ち得ると思う。「構図」ー中央に強くしっかり建物を描く、その建物に沿って、左右に道が分かたれる。一方は上に、一方は下に。左右の目が上下という反対方向に向くことによって、何かしら変な感覚に陥る。この構図を最初に発見した人は偉大な人だ。

 左の絵は表現力は弱いが、何かを表現したい作家のもだえのようなものを感じる。
 上に鳥が雄大に旋回する。絵は、目くるめく何かを求めて中央の迷宮の暗部を表現していく。この「暗部」なり「闇」がトリック表現と重なっていない。技術的難しさか、作家の追求心の弱さか?
 トリック表現をふまえながらも、トリックを超える絵画、氏に期待するところである。



 以上。
 本当は全員の作品に対してを一言でも何かを書きたかったのですが無理でした。
 どうしても、見た順番を優先した報告になりがちです。次回は逆方向の感想をと考えています。



 

by sakaidoori | 2010-08-21 09:41 | ☆小樽美術館 市民ギャラリー


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