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栄通記

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2010年 08月 20日

1344) ①小樽・市民ギャラリー 「Wave  15人展」 8月17日(火)~8月22日(日)


○ Wave  15人展


 会場:市立小樽美術館・3F市民ギャラリー
     小樽市色内1丁目9番5号
     (小樽駅から5分ほど運河方面に)  
     電話(0134)34-0035

 会期:2010年8月17日(火)~8月22日(日) 
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)
 料金:無料

 【参加作家】
 青木美樹(絵画) 江川光博(絵画) 大谷美由起(絵画) 工藤英雄(絵画) 佐藤綾子(日本画) ナカムラアリ(版画) 深山秀子(絵画) 水谷のぼる(彫刻) 福原幸喜(絵画) 徳吉和男(絵画) 高野理栄子(版画) 羽山雅愉(絵画) 末永正子(絵画) 三宅悟(絵画) 安田眞紀子(工芸) ・・・以上、15名。

ーーーーーーーーーーーーーー(8.18)

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     ↑:入り口正面。

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     ↑:入って右側。広々している。

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     ↑::入って左側。インスタレーション等、特陳コーナと利用しても面白い。


 写真でみても分かるように広い会場だ。広さに反して壁と壁の距離は短いが、この短さが作品との心の距離感を密にしている。


 昨年、初めて鑑賞。その時は11人だ。今回は15名。「華やかになった」、というのが第一印象。ごてごてした作品が目立った。見知った作家作品が変容とは言えないのだが、いろいろ試みている・・・そういう感じだ。


 ごてごて、ザックバランな感じの3人の作品から紹介します。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:末永正子(油彩)。


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     ↑:江川光博(ガラス絵)。


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     ↑::青木美樹(水彩)。



 タイトルや作品の発するムードなど、それぞれの作家の創作態度はかなり違う。
 末永正子の場合は、「サクラ」の宴の興奮を絵画に留め、「サクラ」から飛び立つこと。
 江川光博は、画きなぐりの中で色の重なりや発色を確認し楽しみ、自信の一歩を踏み出すこと。
 青木美樹は、風景と気分の絡み合い、いわゆる心象スケッチだ。

 主題と背景の関係も違う。
 末永正子は画面全体で闘い合い、更に、描き上げた画面を否定するようなドローイングが画面を覆う。緊張とと否定の関係だ。
 江川光博は、背景は描かれるものであり、残った余白だ。主題の力と背景の力が反比例している。
 青木美樹は、背景は主題をひきだたせるもの。イメージの定着の為の基礎のような役目だ。

 確かに違いも大きいが、どこか無手勝流の姿勢に共通性を感じる。綺麗に穏やかに仕上げようともしていない。生命観溢れる力強さだ。それは古風とも言えるが、マイペースな地方色とも言える。少なくとも、本州に見る現代若者絵画の仕上げの美しさからは遠い。


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     ↑:末永正子。左から、「卓上」 「サクラ」。

 なぜ左側が「卓上」で、右側が「サクラ」なのかは分かりにくい。
 作家は今年の春、東京・千鳥ヶ淵の桜を見て感動した。その「サクラの海」の挑戦という。
 サクラに触発され、新たな躍動感、挑戦心の発露と見た。


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     ↑:江川光博、ともに「SCENE」・ガラス絵 30×30㎝。

 ガラス絵だ。ということは、絵は重ね塗りなのだが、普通とは逆に、最初に描かれた模様を形を変えないで見ることになる。
 上の作品、最初に中央にドーンと線というか塊を走らせている。まるで、男・江川光博が屹立してそこに存在しているみたいだ。遊び心も強いがホンキ度も強い絵だ。


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     ↑:青木美樹。左から、「marina」 「風景」。

 確かにイメージが先にあるのだろうが、描くことによってイメージを確認し膨らませているのだろう。武骨ともいえる線描が主役だから、綺麗さよりも荒削りな闊達さを思う。より細い線描の作品もあったから、まだまだ拡がる「絵画の試み」なのかもしれない。

by sakaidoori | 2010-08-20 22:52 | ☆小樽美術館 市民ギャラリー


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